5分でわかる!気体の状態を表す物理量
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この動画の要点まとめ
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気体の状態を表す物理量は4つ
気体の状態を表す物理量は主に4つあります。 圧力 、 体積 、 温度 、 モル数 です……といっても、いまいちピンときませんよね。下の図をもとに具体的に考えてみましょう。
図にある シリンダー とは、円筒状の筒のことです。 ピストン は蓋のようなものだと想像してください。このシリンダーとピストンで挟まれた空間に気体が封じ込められています。気体は 分子 でできているんでしたね。図に書いてある丸が分子を表します。
気体分子はバラバラの方向に飛び回るのでした。では、この気体分子の状態を数値で表すことを考えていきます。
シリンダーには分子による圧力がはたらく
シリンダー内で分子はどんな運動をしていますか?分子はシリンダー内を動くことで、ピストンと衝突を繰り返します。 「衝突する」とは「分子がピストンを押す」と同じ意味 ですよね。1つ1つの分子が衝突してピストンを押す力は小さなものです。ただし、気体の中にはきわめて多くの分子があるため、分子全体で考えるとこの衝突する力はとても大きなものとなります。
気体が単位面積1[m2]当たりに及ぼす力のことを 圧力 といいましたね。気体がピストンを押す力をF[N]、ピストンの断面積をS[m2]とすると、圧力は記号pで、
p=F/S
と表されます。圧力の単位は[ Pa ]です。この 圧力 が、気体の状態を表す物理量の1つです。
体積、温度も必要な要素
圧力のほかに、 体積 、 温度 が気体の状態を表します。
図のピストンを左右に動かすことで、シリンダー内の 気体の体積 を変化させることができますね。例えば、ピストンを押せば中の体積は小さくなり、ピストンを引けば中の体積は大きくなります。 体積 は記号Vで表され、単位は[m3]でしたね。
また、 気体は熱を与えられると膨張し、体積Vが大きくなる 特徴があります。そのため、 気体の温度 も、気体の状態を表すうえで必要です。気体の温度は 絶対温度T[K] で表しましょう。
気体の量を表すのがモル数
さらに、気体の状態を表すには、 気体の量 を考えることも必要です。 気体の量とは、気体分子の個数のこと です。
気体は分子でできていますが、その数は非常に大きな値です。物理や化学の世界では、気体の量を扱いやすくするため、 6.0×1023[個] の粒子をひとまとめで考え、 1[mol] と表します。 6.0×1023をアボガドロ定数 といい、単位は[/mol]です。 アボガドロ定数と気体のモル数をかけ算すれば、分子の個数を求めることができる ので、気体の量が分かりますね。
このように、気体の状態を表すには4つの物理量が必要なことをおさえておきましょう。
今回から、 気体 に注目して学習していきます。まずは、気体の状態を表す物理量を整理しておきましょう。