5分で解ける!気体分子の運動に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
(力積)=(運動量の変化)
(1)は力積を求める問題です。 壁はなめらか とあるので 摩擦がなく 、 弾性衝突 であることから 反発係数が1 であることをおさえましょう。
力積とは (力F)×(時間t) であり、 運動量mvの変化と等しい 値になりましたね。一般式では Ft=mv'-mv と表されます。このとき、力と速度は方向をもった ベクトル であることに注意しましょう。
衝突後の速度は−vx
では今回の問題で、力積と運動量の関係を考えていきます。分子運動をx方向だけ取り出すと、下の図のような運動になります。
気体分子はx=0の壁とx=Lの壁Aの間で往復運動をします。質量mの分子が速度vxで壁Aに衝突する場合、衝突後は速さは同じvxで、逆向きになりますね。つまり衝突後の速度は−vxです。
力積の方向に注意しよう
分子が受けた力積は、分子の運動量の変化から、以下のように計算できますね。
-2mvxは負の値なので、xの負の方向に力積を受けたことが分かります。
次に壁Aが受けた力積について考えましょう。壁Aが受けた力積は分子が受けた力積の 反作用 となりますね。分子が壁に衝突した時、壁から力を受けます。これをfとすると、壁は分子を押しているので分子は壁を力fで押し返しますね。
したがって、壁Aが受けた力積は2mvxとなりますね。
1回衝突するのにかかる時間から求める
(2)は分子が壁に衝突する回数を求める問題です。単位時間とは 1[s] のことを言います。この問題もx方向だけを取り出して考えましょう。
分子が1回壁Aにあたってから、再び壁Aに戻って来る時間をtとし、往復する間に進む距離を2Lとします。x方向の分子の速さはvxなので、t=2L/vxですね。分子が壁に1回あたるのに必要な時間はt[s/回]となります。したがって、1[s]あたりの衝突回数は求めたtの 逆数 で求められます。
(1)(2)の結果を利用しよう
(3)は、壁Aが1つの分子から受ける平均の力fを求める問題です。実は分子が衝突するときの力は一定ではありません。この衝突する力が一定であると考えたときの力を 平均の力 と言います。
(1)(2)で求めた式を使って答えを導きましょう。壁Aには、1[s]でvx/2L[回]、1つの分子が力積2mvxを与えます。力積とは力×時間ですが、時間が1[s]であるため、力積と力は等しくなります。
これをfについて解くと答えが求まりますね。
気体の圧力は、気体分子の運動によって生じる力です。1辺の長さがLの立方体容器をモデルにして気体の分子運動をとらえ、圧力について考えていきます。(圧力)=(力)÷(面積)ですね。この練習問題では、まず1つの分子が、立方体の壁に与える力fを求めていきましょう。