高校物理
5分で解ける!分子運動の等方性に関する問題
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この動画の問題と解説
練習
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解説
これでわかる!
練習の解説授業
すべての分子を考えるときは、平均値で求める
(1)では、前回の練習で求めた 壁Aが1つの分子から受ける力f を利用して、 壁Aがすべての分子から受ける力F を求めます。
すべての分子から受ける力は1つの分子から受ける力fに、分子の個数を掛け算すればよいですね。気体は1[mol]なので、分子の個数は アボガドロ数N そのものです。
ただし、ここで1つ注意点があります。vx2はあくまで1分子の速さです。1つ1つの分子の速度はばらばらなので、バーをつけた 平均の速度 で求めることを忘れないようにしましょう。
分子運動の等方性からvx2をv2で表す
(2)は壁Aが1[mol]の分子から受ける圧力Pを求めます。圧力は 力を面積で割り算したもの でしたね。面積は1辺の長さがLの正方形なのでL2です。また、(1)では、1[mol]の分子から受ける力を求めました。したがって、次のように立式できます。
しかし、問題文には 「v2の平均値を用いて求めよ」 とあります。vx2の平均値は、v2の平均値に変換しなければいけません。ここで、先ほどのポイントの授業で解説した2つの関係式を利用しましょう。
v2の平均値は、vx2とvy2とvz2の平均値の和と等しくなりましたよね。また、vx2とvy2とvz2の間には 等方性 の関係式が成り立ちました。これらを利用すると、vx2の平均値は、以下のようにv2の平均値で表せますね。
この式を先ほどの圧力Pの式に代入します。さらに、体積V=L3とできますね。したがって、答えは次のように求まります。
気体の圧力を、ミクロ的な視点で気体の分子運動と結びつけて式にすることができましたね!
気体の圧力は、気体分子の運動によって生じる力です。1辺の長さがLの立方体容器をモデルにして気体の分子運動をとらえ、圧力について求めていきましょう。