高校物理
5分でわかる!熱力学第一法則
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熱力学第一法則
これでわかる!
ポイントの解説授業
気体の吸収熱Qin と 気体の内部エネルギーU との間には、実は 気体がする仕事W を加えた 熱力学第一法則 という関係が成り立ちます。
熱を加えると、気体は外部に仕事をする
具体的に、ある気体に熱量Q[J]を与える場合で考えてみましょう。
ピストンがついたシリンダー内に、気体を封入し、この気体をガスコンロで熱して熱量Q[J]を与えます。熱せられた気体は 膨張 して 体積が増加 し、ピストンが右にx[m]動いたとします。
このとき、気体はピストンに対して 仕事 をしますね。仕事は 力×移動距離 で表せます。気体がピストンを押す力をF[N]、気体がした仕事をWoutとすると、
Wout=Fx
と表されます。outとは、気体が外部にする仕事のことを意味しています。
気体の吸収熱=内部エネルギーの増加+外部にした仕事
気体をガスコンロで熱したとき、気体の温度が上がり、体積が増加するということを、仕事と内部エネルギーの観点からとらえてみましょう。
気体の温度が上がったことから、気体の 内部エネルギーは増加 したことがわかります。さらに、体積が増加、つまり膨張したことから、気体は 外部に仕事 をしたことになります。つまり、 気体の吸収熱Qinは内部エネルギーの増加ΔUと、気体が外部にした仕事Woutに使われた のです。式で表すと、 Qin=ΔU+Wout となります。
Qin=ΔU+Wout の関係式が 熱力学第一法則 です。式は3つの物理量の関係なので、2つが分かればもう1つも求められますね。
気体にある熱量Q[J]を与えた場合、温度がどれくらい上がるかは、固体や気体のように単純計算できません。そこで、 気体が熱量Qinを吸収したとき、どれだけ気体の内部エネルギーが増えたか を考えてみましょう。