高校物理
5分で解ける!熱力学の総復習に関する問題
- ポイント
- 練習
この動画の問題と解説
練習
一緒に解いてみよう
解説
これでわかる!
練習の解説授業
状態方程式を利用してnRTをPVに変換
(1)は状態AからBへの変化における吸収熱QABを求めます。A→Bは 体積を一定 に保ったままの変化なので、 定積変化 ですね。
定積変化の 吸収熱はQAB=nCVΔT です。問題にはモル数nと温度Tが与えられていないので、状態A、B、Cの温度をそれぞれTA、TB、TCとおきましょう。すると、
QAB=nCVΔT=n×(3/2)R×(TB-TA)
ただし、問題で与えられているのは圧力と体積なので、 状態方程式PV=nRT を使って、nRTをPVに書き換えます。したがって、以下のように答えが求められますね。
熱力学第一法則から仕事を導こう
(2)は状態BからCへの変化において、気体が外部にした仕事WBCを求めます。B→Cは 温度を一定 に保ったままの変化なので、 等温変化 ですね。
仕事はグラフの面積で求められますが、今回は曲線のため、図から求めることは難しいです。したがって、 熱力学第一法則Qin=ΔU+Wout を使って求める方法を考えましょう。今回、 等温変化なのでΔU=0 です。 吸収熱Qinと外部にした仕事Woutが一致する ため、 WBC=QBC ですね。
吸収熱と放出熱の関係に注目
(3)は状態CからAへの変化における放出熱QCAを求めます。C→Aは 圧力を一定 に保ったままの変化なので、 定圧変化 ですね。
放出熱は吸収熱にマイナスの符号をつけて求めます。定圧変化の吸収熱は、
Qin=nCPΔT
定圧モル比熱CPはメイヤーの法則から(3/2)R+Rですね。よって、
Qin=n(5/2R)(TA-TC)
ここで(1)同様に、状態方程式を使ってnRTをPVの式に変換しましょう。
吸収熱はマイナスになりました。この結果から、熱は吸収されてるのではなく、放出されていることが分かります。
気体をA→B→Cと状態変化させる問題です。単原子分子なので、CV=(3/2)Rですね。これまで学んだ公式を使って解いていきましょう。