前回の授業では、合成波について解説しましたね。今回は、合成波のうちの 定常波(定在波) について解説していきます。

定常波とはいったいどんな波なのでしょうか？ 下の図をもとに見ていきましょう。

直線上で、2つの波がぶつかりあいます。 2つの波はどちらも振幅A、波長λ、速さvが等しく、進行方向だけが逆になります 。左向きに進む波と右向きに進む波の先端を丸で示してあり、図は2つの波がちょうど重なり合う直前です。波が重なり合う直前をt=0[s]、2つの波の周期をT[s]とし、ここからT/4[s]毎にどうなるか見ていきましょう。

T/4[s]後の波の様子は下の図のようになります。

1周期で1波長の波が送り出されるので、T/4[s]後はそれぞれの波がλ/4進みます。したがって、重なり合う部分はλ/2です。左向きの波と右向きの波は、ちょうど山の部分が重なり合っていますね。重なり合った山の部分は、元の波の高さの2倍となります。したがって、合成波の山の高さは2Aとなります。

さらにT/4[s]進んだT/2[s]後の波は下の図のようになります。

山と谷が重なり合うので、 合成波はプラスマイナス0となり、波が打ち消されています 。

さらに4/T[s]進んだ3T/4[s]後の波は下の図のようになります。

山と山、谷と谷がぴったりと重なり合い、合成波が2倍の大きさの波になっていることが分かります。

このように、 振幅A、波長λ、速さvが等しく、進行方向だけが逆 の2つの波によってできる合成波を 定常波 といいます。まったく振動していない状態(t=T/2)もあれば、振幅が2倍になっている状態(t=3T/4)もありますね。

実際にどのような特徴があるのかは次で見ていきましょう。