5分でわかる!うなりの振動数
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
振動数の微妙なずれで起こる
具体例をもとにみていきます。振動数f1[Hz],f2[Hz]の2つのおんさを用意して、同時に鳴らすときを考えます。
2つの値が、例えばf1が400[Hz]でf2が401[Hz]のように、 f1≒f2と近い値 のとき、 時間とともに弱めあう音と強めあう音が繰り返す現象 が起きます。この現象のことを うなり と言います。
波が重なれば強め合い 波が打ち消しあえば弱め合い
うなりの現象をもう少し細かく見ていきましょう。振動数f1,f2の2つのおんさを同時に鳴らすことを考えます(f1≒f2)。
図の横軸は時間経過t[s]、縦軸は波の変位y[m]を表しています。t=0[s]のとき、2つの波の山と山が出会っているのがわかりますね。
2つの音波の変位について、山と山が重なりあうとき、音の強さは強め合うことになります。
t=0[s]から、時間が経過するときを考えてみましょう。2つの波は振動が異なるため、最初は強め合っていても、だんだん振動がずれていくのがわかるでしょうか?
はじめの点線の位置で、2つの波の山と谷が出会っているのがわかりますね。2つの音波の変位について、山と谷が打ち消しあうとき、音の強さは弱め合うことになります。
さらに時間が経過すると、山と山が出会うと強め合い、山と谷が出会うと弱め合い……を周期的に繰り返すことになります。
うなりの周期T[s]
うなりは、周期的に強め合いと弱め合いを繰り返します。このうなりの周期T[s]について考えてみましょう。
振動数f1[Hz],f2[Hz]の2つのおんさを用意して、同時に鳴らすとき、t=0[s]で山と山です。2つの波が出会うと重なり合って強め合いが起こりますね。ここから次に強め合うまでの時間を考えます。
T[s]のところで再び強め合ったとすると、このTがうなりの周期になります。
うなりの振動数n[Hz]を表す式
さらに、うなりの振動数をn[Hz]と表すと、n[Hz]は 1[s]あたりの強め合う回数 と考えられ、
f=1/T
です。
うなりの振動数の式を考えるうえで注目したいのは、 うなりの周期T[s]の中に含まれる山の個数 です。振動数f1,f2は、それぞれ 1[s]あたりに含まれる山の個数 を表すので、周期T[s]の中での山の個数は、
振動数f1の波の山 f1T
振動数f2の波の山 f2T
ですね。
一方、周期T[s]の間で、振動数f1,f2の波は、振動回数が1回だけずれることになるので、
|f1T-f2T|=1 ……①
f1,f2のどちらの振動数が大きいか分からないため絶対値記号をつけています。
①の式の両辺をTで割ることにより、
|f1-f2|=1/T=n
と、うなりの振動数n[Hz]についての式をつくることができます。
式から分かるように、 うなりの振動数n[Hz]はそれぞれの振動数の差 として求めることができます。
今回は うなり という現象について解説していきましょう。