高校物理
5分でわかる!距離差の上限
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この動画の要点まとめ
ポイント
距離差の上限
これでわかる!
ポイントの解説授業
ただし、この距離差|S1P−S2P|はどんな値でもよいわけでなく、実は 上限 があるのです。
距離の差には上限があることを式から求めよう
2つの波源S1、S2から同位相の波が出ている例で考えてみましょう。
点Pでの干渉は、距離差|S1P−S2P|の値によって決まります。ただし、 |S1P−S2P|は波源間の距離S1S2を超えることはできません。
数学で 三角形の存在条件 について学習したことを思い出してください。
上の図の三角形のS2PとS1P+S1S2の大きさを比較したとき、三角形の一辺は他の二辺の和を超えることはありません。
S2P<S1P+S1S2
⇔S2P−S1P<S1S2
波源から点Pまでの 距離差|S2P−S1P|がS1S2より小さくなる ことが分かりますね。
仮に、図でS1S2=2λだったとします。同位相なので強め合う条件は半波長の偶数倍で、
(λ/2)×2m (m=0,1,2……)
となりますが、mの値は無限に続くわけでありません。 距離差は2λより小さくなる ので、実際に強め合うのは m=0,1のときのみ になりますね。
強め合いと弱め合いの場所は双曲線上にある
また、強め合う線と弱め合う線をつなげると下の図のようになります。
強め合いの場所を実線、弱め合いの場所を点線で書いています。
S1、S2から等距離にある場所は距離差がゼロとなり、強め合います。これはS1、S2の 垂直二等分線 になりますね。
さらに、数学Ⅲの知識になりますが、2定点からの距離の差が一定の点の軌跡は、 双曲線 になります。強め合いでも、弱め合いでも |S1P−S2P|=(一定) となるので、強め合いも弱め合いも 双曲線 上で生じます。
2つの波源から等距離の場合は垂直二等分線が1本で、それ以外の場合は双曲線になるということをしっかりと覚えておきましょう。
複数の波が同時に重なり合い、互いに強め合ったり、弱め合ったりする場所ができる現象を 波の干渉 といいます。前回までに、ある点Pと波源との 距離差|S1P−S2P| に注目して、干渉条件について解説してきましたね。