高校物理
5分で解ける!可視光線に関する問題
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練習の解説授業
「d,x≪L」より「θは十分小さい値」
回折格子において 強め合い が起きるのは、 距離差が半波長の偶数倍 となるときで、
dsinθ=(λ/2)×mλ
でしたね。 格子定数d は 回折格子の隣り合うスリットの間隔 のことを指します。
この問題では、強め合いの条件をd,x,L,λで表します。sinθの部分を変換しましょう。下図をもとに考えます。
d,x≪Lより、 θは十分小さい値 と考えることができますね。このとき、sinθ≒tanθであり、 dsinθ≒dtanθ=d×(x/L) と置き換えられます。したがって、次のように答えを求められますね。
波長が短い色ほど点Oに近くなる
入射光線の白色光は すべての色の光が混ざっている光 です。 可視光線の波長の範囲380〜780[nm] では、 波長の短い紫色 から 波長の長い赤色 まですべて含んでいるのですね。では、 波長の違い によって、 明線が生じる位置にどんな違いが出るか を考えてみましょう。
(1)の結果から 明線ができる位置 は、 x=Lλ/d×0、Lλ/d×1、Lλ/d×2、…… となります。このとき、x=Lλ/d×0が点Oそのものになります。点Oは λがどの値であってもx=0 になる点のため、ありとあらゆる色が混ざり合って強め合います。つまり 白色 に見えるんですね。
次に、Oに最も近い明線はその隣り、x=Lλ/d×1のときです。この式から 波長λの違いによって、位置xが変わる ことがわかりますね。可視光線の中では 紫の波長が一番短い ので、 xが一番小さくなる のです。さらに 赤は一番波長が長い ので、 xが一番大きく なります。つまり、点Oに近い側は紫、遠い側は赤だということができます。
回析格子に光を入射させる問題です。 明線が生じた ことから、回析格子から出た光は 強め合っている ことがわかりますね。