高校物理
5分でわかる!光の反射における位相変化
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この動画の要点まとめ
ポイント
光学的距離
これでわかる!
ポイントの解説授業
光の波長が変化してしまう
光学的距離は、この授業では初めて登場する言葉ですよね。下の図をもとに具体的に見ていきましょう。
光源があり、波長λの光が空気中を通っています。光は、途中で屈折率n、厚みdの媒質に入射しています。媒質中で光の波長λがλ'へと変化することは、以前に学習しましたよね。 屈折の法則 より、
1×λ=n×λ'
⇔λ'=λ/n
となります。n>1より、λ'はλよりも短い波長となることが分かります。
光が空気(真空)以外の媒質を進むとき、 波長が変わってしまう という性質は、 干渉 を考えるときにはとても面倒です。何が面倒かイメージできますか?光の干渉条件は、
(距離差)=(半波長)×(偶数倍or奇数倍)
で考えてきました。しかし、波長が変わってしまうと、半波長の値も変わってくるので、干渉条件を考えづらくなってしまうのです。
媒質中の波長を真空中の波長に補正する!
そこで、光が屈折率nの媒質中を通過するときは、 真空中の波長λで表せるよう補正計算 を行います。先ほどの例で、厚みがdの媒質を横に n倍拡大 してみましょう。
n倍に拡大すると、空気中の波と同じ波形になりましたね。波長λ'=λ/n×n=λとなります。つまり、 光が屈折率nの媒質中を通る ときは、 距離をn倍に拡大 することで、 波長をλで表せる のです。このようにn倍に拡大したときの距離のことを 光学的距離 と言います。
光学的距離を考えたときの距離の差を 光路差 ということも覚えておきましょう。
今回は 光学的距離 について解説します。