5分でわかる!帯電
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この動画の要点まとめ
ポイント
物質の帯電を原子レベルで見ると……
帯電がどんな状態かイメージできますか?例えばプラスチックでできたバットをティッシュでこすります。すると、ティッシュはバットにくっつくようになり、ティッシュから手を離してもバットから落ちないようになります。物質同士がくっつくのは、それぞれが 電気を帯びて引き寄せあっている からですね。これがまさに帯電という現象です。
では、なぜ物質は帯電するのでしょうか?物質をミクロの視点でみてみましょう。物質は 原子 から構成され、原子の中心には 原子核 が存在します。原子核の中にはプラスの電気をもつ陽子と、プラスでもマイナスでもない中性子があります。
上の図の例では、プラスの陽子は2個、マイナスの電子も2個、中性子も2個です。合計はプラスマイナス0となり、この原子は電気的に中性であることがわかりますね。もしこの状態の原子から電子を1つ取り除くとどうなるか、わかりますか?
プラスの方が1個多くなるのでプラスに帯電し、陽イオンになります。
逆に、もとの原子に電子を1つ与えるとマイナスの方が多くなるのでマイナスに帯電し、これを陰イオンと言います。
つまり、物質の 帯電 を原子レベルでみると、 電子が増えたか減ったか ということを表しているのです。
ガラス棒の電子が布に移動する
このことを踏まえ、 ガラス棒 と 布 をこすりあわせる実験について考えてみましょう。
ガラス棒と布をこすりあわせると、プラスチックでできたバットをティッシュでこすったときと同じ現象が起こります。 ガラス棒に布がくっつく のですね。この帯電をミクロ的な視点でみると、 ガラス棒の電子が布に移動 したことを表します。もともと電気的に中性だった 布 は、電子が与えられたことによりマイナスに帯電し、 ガラス棒 は電子が出ていったために プラスに帯電 するのです。
電気量はQ[C]で表す
物質がもつ電気の大きさを 電気量 といい、単位[C] (クーロン) で表します。電気量を文字にするときは、一般的に Q を使います。
例えば、ガラス棒と布をこすりあわせるときには、ガラス棒の電子が布に移動しましたね。 布はマイナスに帯電 したので、 −Q[C]の電荷が帯電している と表現します。他方、 ガラス棒はプラスに帯電 しています。ガラス棒は布に−Q[C]の電気量を渡したので、ガラス棒には +Q[C]の電荷が帯電している ことになります。
物質の帯電は、電子の移動によって起こります。電気の大きさは電気量Qで表され、単位が[C]であるということをしっかりと覚えましょう。
第4章では「電磁気」について扱っていきます。まずは、物質が電気を帯びる 帯電 の仕組みについて解説していきましょう。