今回は 電場 と 電位 について解説していきます。

電場 とは、 ある場所に1[C]の電荷を置いた時に受ける静電気力 のことを言います。電場は 大きさ と 方向 を持つ ベクトル量 で、一般的に ベクトルE で表します。具体的に、次の図をもとに説明しましょう。

上図のように、プラスに帯電している板があります。帯電した物体のことを 帯電体 と言うことは覚えておいてください。図で、帯電体から離れた点Aという場所で、電場が ベクトルE だったとします。これがどんなことを意味するかわかりますか？

電場 とは、 1[C]の電荷が受ける静電気力 のことでしたね。つまり、点Aに1[C]の電荷を置くと、大きさ E の静電気力を受けることになります。またその力の方向は、図のように右向きになりますよね。

電場 とは、 1[C]の電荷を置いた時に受ける静電気力 のことを言い、 大きさ と 方向 を持つ ベクトル量 だということをおさえてください。なお、電場は別の言葉で 電界 とも呼ばれます。

これに対し、 電位 とは、 ある場所に1[C]の電荷を置いた時に持つ位置エネルギー のことを言います。電位は 方向なしで大きさだけ の スカラー量 で、一般的に V で表します。具体的に、次の図をもとに説明しましょう。

上図で、帯電体から離れた点Aという場所で、電位が V だったとします。これがどんなことを意味するかわかりますか？

電位 とは、 1[C]の電荷が持つ位置エネルギー のことでしたね。つまり、点Aに1[C]の電荷を置くと、大きさ V の位置エネルギーを持つことになります。

ここで、位置エネルギーについて振り返っておきましょう。位置エネルギーとは、 保存力が物体を基準点まで移動させるときの仕事量 のことを表します。

例えば、地面を基準点としたときの重力の位置エネルギーはmgh(m：質量，g：重力加速度，h:高さ)でしたね。 mgh は、 質量m、高さhにある物体を地面まで運ぶとき、重力がする仕事量 を表しています。

この知識をもとに、 「大きさVの位置エネルギーを持つ」 ことの意味を考えてみましょう。先ほどの図で点Aに1[C]の電荷を置いた時、この電荷が点Oまで移動したとします。

1[C]の電荷は帯電体から右向きの静電気力を受けて移動します。静電気力は保存力であり、このときの 静電気力がした仕事量がVに等しい ということを表します。

電場と電位という言葉はよく似ていますが、 電場ベクトルE は 方向を持ったベクトル量 であるのに対して、 位置エネルギーV は方向なしで大きさだけの スカラー量 と言います。電場がベクトル量で、電位がスカラー量であることを区別しておきましょう。