高校物理
5分で解ける!誘電分極に関する問題
- ポイント
- 練習
この動画の問題と解説
練習
一緒に解いてみよう
解説
これでわかる!
練習の解説授業
導体内は自由電子が移動する
まず問題がどんなことをしているのかを解説しましょう。下の図1では、左側にプラスの帯電体があり、ここに金属棒A,Bを近づけています。
AとBは導体です。導体には自由電子があり、プラスの帯電体を左から近付けると、自由電子は一斉に左に引き寄せられます。このとき、AとBは接触しているので、1つの導体と見なすことができ、Aの左面がプラス、Bの右面がマイナスに帯電します。
近付けた後、AとBを離すと、どうなるでしょうか。Aにはマイナスが取り残され、Bにはプラスが残ります。つまり、プラスとマイナスが完全に分かれるのですね。そのあと、帯電体を離すと、AとBの電荷は異符号同士なので、 引力 がはたらきます。
不導体内は原子1つ1つが分極する
AとBが 不導体 の場合、正の帯電体を近付けると何が起こるでしょうか。
不導体では自由電子の移動ではなく、 1つ1つの原子が分極 をします。その結果、Aの左の面がマイナス、Bの右の面がプラスに偏る、 誘電分極 となります。この後、AとBを切り離し、帯電体を遠ざけるとどうなりますか。
ポイントとなるのは、 不導体 の場合、あくまで 1つ1つの原子が分極 しているという点です。自由電子が移動しているわけではないので、AとBの間に電子の移動はありません。したがって、帯電体を遠ざけるとAとBも元の状態に戻り、電気量は 0[C] になります。帯電していないので、引力も斥力もはたらきません。
帯電体に対して、(1)では金属棒,つまり 導体 を近づけ、(2)では 不導体 を近づけます。 静電誘導 と 誘電分極 の違いを意識して解きましょう。