5分でわかる!キルヒホッフの法則
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この動画の要点まとめ
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起電力V、4Vの電池に対し、抵抗値がR、2R、2Rの3つの抵抗が接続されています。パッと見ただけでは、電流がどこからどこへ流れているのかさっぱりわかりませんよね。このような複雑な回路では、次の キルヒホッフの法則 を利用することで電流や電圧を求めることができます。
流れ込む電流の和=流れ出る電流の和
まずは、 キルヒホッフの第1法則 について解説しましょう。 キルヒホッフの第1法則 は、 「交差点に入る電流と交差点から出る電流が等しい」 です。先ほど紹介した回路図で、例えば、2つの電池から電流が次の図のように流れ出ると仮定して、その電流の値をI,iとします。
この電流の向きは、あくまで仮定 です。計算の結果、 電流の値がプラスであれば仮定が正しく、もし値がマイナスならば電流の向きは逆 となります。真ん中の抵抗の右にある交差点には、上から流れる電流Iと下から流れる電流iが流れ込んでいますね。
ここで キルヒホッフの第1法則「交差点に入る電流と交差点から出る電流が等しい」 を使うと、真ん中の抵抗の右にある交差点に流れ込む電流はI+i、抵抗の左にある交差点から流れ出る電流もI+iとなります。
回路中の交差点について、 流れ込む電流の和=流れ出る電流の和 を示したのが、 キルヒホッフの第1法則 となります。
回路一回りの電圧降下の和は0になる
次に、 キルヒホッフの第2法則 では、 閉回路 に注目します。閉回路とは、一回りの閉じた回路のことです。今回の回路には閉回路が3つあることがわかりますか。
①起電力Vの電池、R、2Rの抵抗からなる回路
②起電力4Vの電池、2R、2Rの抵抗からなる回路
③真ん中の抵抗2Rを除いた、外枠のみからなる回路
です。
これらの3つの閉回路について、 キルヒホッフの第2法則「閉回路で部品の電圧降下をぐるっと一回り足すと0になる」 を適用してみましょう。すると、次の3つの式を立てることができます。
①-V+RI+2R(I+i)=0
②-4V+2Ri+2R(I+i)=0
③-4V+2Ri-RI+V=0
教科書では、キルヒホッフの第2法則を 「一回りの閉経路について、起電力の和は抵抗での電圧降下の和に等しい」 などと記述されます。しかし、ここでは、起電力にマイナスをつけたものを電圧降下とみなして立式しています。閉回路において、電圧降下の合計はぐるっと1周したときに0となるのですね。
ここからは電池や抵抗が複雑に組み合わさった回路が登場します。例えば、下の図を見てください。