5分でわかる!非オーム抵抗
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この動画の要点まとめ
ポイント
V-Iグラフが曲線になる
非オーム抵抗の具体例を紹介しましょう。下の回路の記号は 電球 を表します。
電球に流れる電流をI[A]、電圧をV[V]としたとき、2つの関係を縦軸I、横軸VのV-Iグラフで表すと、次のようになります。
原点を通る弓なり曲線のグラフとなるのですね。この曲線は、 オームの法則が成立していない ことが分かります。オームの法則はII=V/Rで表され、電流Iは電圧Vに比例します。オームの法則にしたがうのであれば、V-Iグラフは原点を通る直線になっているはずです。
電圧Vが増えれば増えるほど、電流Iが流れにくくなる
非オーム抵抗を示すV-Iグラフのある1点をとり、原点と結んでみましょう。そのときの直線の傾きはI/Vであり、オームの法則では1/Rに対応します。
電圧Vが増加すれば増加するほど、グラフの傾き1/Rはどんどん小さくなることに気付けるでしょうか。1/Rが小さくなるということは抵抗Rはどんどん大きくなるということです。つまり、 電圧Vが増えれば増えるほど、電流Iが流れにくくなっている のです。
非オーム抵抗が起こる原因
非オーム抵抗において、電圧Vが増えると抵抗値Rが増える理由を考えてみましょう。
非オーム抵抗は、 豆電球 や 白熱電灯 のように、 電流を流すと温度が大きく変化する導体 です。ここで、抵抗値Rは温度によって変化する値であったことを思い出してください。 温度が高ければ高いほど抵抗率が上昇 し、 電流は流れにくくなる のでした。
非オーム抵抗を含んだ回路の扱い方
では、非オーム抵抗を流れる電流や電圧はどのような関係式で扱ったらよいでしょうか?
豆電球と普通の抵抗を電池とつないだ上の回路を考えましょう。この回路では、 非オーム抵抗の電流I、電圧Vを最初に文字で置く ことが重要になります。仮に電池の起電力が5.0[V]、普通の抵抗の抵抗値が1.0[Ω]であれば、電圧降下の和を考え、
5.0=V+1.0I
のように、VとIの関係式を作ることができます。非オーム抵抗はオームの法則に従わない抵抗なので、電流Iと電圧Vを最初に文字として与え、問題から関係式を導く必要があるのです。
豆電球や白熱電灯のように、電流を流すと温度が大きく変化する導体では、電流は電圧に比例しません。つまり、 オームの法則に従わない のです。このように オームの法則に従わない抵抗 のことを 非オーム抵抗(非直線抵抗) と言います。