高校物理
5分でわかる!実効値
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この動画の要点まとめ
ポイント
実効値
これでわかる!
ポイントの解説授業
消費電力P=IVだけど……
電圧V=V0sinωtで表される交流電源に、抵抗値Rの電源をつないだとき、この抵抗に流れる電流をI=I0sinωtとします。V0、I0はそれぞれ電圧、電流の最大値です。
ここで抵抗の 消費電力P はいくらになるのか、考えてみましょう。消費電力はP=IVで求められましたね。したがって、
P=I0V0sin2ωt
です。少々複雑な式ですよね。交流電源に抵抗をつなぐとは、身近な例では、コンセントに電熱器や電気ストーブをつなぐようなものです。しかし、電熱器や電気ストーブの消費電力には、このような複雑な式は記されていません。もっと 単純な数字 で表されています。
消費電力の平均値を考える
消費電力P=I0V0sin2ωt
を単純化するため、 消費電力の平均値 を求めていきましょう。
三角関数の2倍角の公式を使うと、
P=I0V0sin2ωt
⇔ P=I0V0(1−cos2ωt)/2
ここで注目するのは、1−cos2ωtです。cosはプラスとマイナスを周期的に繰り返し、長い時間を取って平均を取ると0になります。したがって、
(Pバー)=(1/2)×I0V0
この式が 消費電力の平均値 となり、 (最大電流)×(最大電圧)÷2 で求められることがわかりました。
実効値とは?
(Pバー)=(1/2)×I0V0
の式において、1/2という定数をI0とV0に等しく振り分けてみましょう。つまり、 Ie=I0/√2 、 Ve=V0/√2 として、 Ie、Ve をそれぞれ 交流電流の実効値 、 交流電圧の実効値 と定義します。
消費電力の平均値は、(電流の実効値)×(電圧の実効値)で表すことができましたね。
今回は、交流電源に抵抗を接続したときの 消費電力 と 実効値 について解説します。