5分で解ける!並列共振に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
電圧VLCと電流iCの位相のズレに注意
問題文より、 コンデンサーにかかる瞬間電圧はVLC=V0sinωt 、 抵抗に相当するリアクタンスは1/ωC であることがわかっています。ここから、オームの法則より、
VLC=(1/ωC)×iC
とするのは 間違い ですよね。なぜだか、わかりますか?
問題となるのは、 電圧VLCと電流iCの位相のズレ です。交流電源に接続したコンデンサーでは、 電流は電圧より位相が90°進んでいる のでした。位相をはっきりさせるために、最大電圧V0を1本のベクトルで描き、コンデンサーとコイルの最大電流IC、ILを図示すると、次のようになります。
コンデンサーでは、電圧の位相ωtに対して、電流の位相は(ωt+π/2)になる のです。
コンデンサーの最大電流ICから求めていくと、
V0=(1/ωC)×IC
⇔ IC=ωCV0
位相差を考慮して、 コンデンサーに流れる瞬間電流ic=ICsin(ωt+π/2) と表せることから、
ic=ωCV0sin(ωt+π/2)
となります。
電圧VLCと電流iLの位相のズレに注意
(1)と同様に、 電圧VLCと電流iLの位相のズレ に注意します。交流電源に接続したコイルでは、 電流は電圧より位相が90°遅れている のでした。
コイルでは、電圧の位相ωtに対して、電流の位相は(ωt-π/2)になる のです。
コイルの最大電流ILから求めていくと、
V0=ωL×IL
⇔ IL=(1/ωL)×V0
位相差を考慮して、 コイルに流れる瞬間電流iL=ILsin(ωt-π/2) と表せることから、
iL=(V0/ωL)sin(ωt-π/2)
となります。
回路全体の電流が0→リアクタンスが一致
周波数f、周期T、角周波数ωの関係式は、
f=1/T
T=2π/ω
でした。したがって、 角周波数ωの値がわかれば、周波数fも求められます 。
(1)(2)の結果を利用して立式していきましょう。iCとiLは 瞬間電流 なので、
i=iC+iL
が成り立ちます。角周波数ωについての式に変換すると、
i=(ωC-1/ωL)cosωt
とできますね。
さらに、問題文の 「電流iが0」 より、
0=(ωC-1/ωL)cosωt
つまり、 ωC=1/ωL となり、 コンデンサーとコイルのリアクタンスが一致 するとき、電流iが0となることがわかります。あとはωについて解くと、
ω=√(1/LC)
求めたいのは周波数fなので、 f=1/T と T=2π/ω に代入しましょう。
交流電源に対して、コンデンサーとコイルを並列に接続した回路についての問題です。