5分でわかる!LC共振回路
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この動画の要点まとめ
ポイント
LC共振回路とは?
この並列共振を利用して、 コイルLとコンデンサーCによって電流を流す回路 を LC共振回路 と言います。
充電したコンデンサーとコイルを接続
LC共振回路では、下の図のように、充電したコンデンサーとコイルを用意します。
電気容量Cのコンデンサーに電気量Qが蓄えられています。自己インダクタンスLのコイルには電流が流れていません。
コンデンサーの正電荷が移動 コイルに誘導起電力が発生
先ほどの図の状態からスイッチを閉じます。
スイッチを閉じた瞬間、コンデンサーの上の極板の正電荷が移動し、 電流Iがコイルに向かって流れようとします。 このとき、コイルには、 自己誘導 により 電流の変化を妨げる方向に誘導起電力が発生 しますね。したがって、電流が急激に増加することはありません。
電流が最大になると……
コンデンサーの上の極板が徐々に正電荷を放出し、やがて コンデンサーの電気量が0になる ときがきます。このとき、コイルを流れる 電流Iは最大値I0 を取ります。
電流Iが最大になるとき、電流の変化は0になるので、コイルに生じる誘導起電力も0となります。しかし、ここで電荷の移動が止まるわけではありません。
下の極板に電気量+Qが充電される
電流は最大値I0をとった後、減少を始めますね。すると、コイルには、 電流の減少を妨げる方向に誘導起電力が発生 します。つまり、コンデンサーの電気量が0になったあとも、 上の極板から正電荷の移動が続く のです。しばらくすると、今度はコンデンサーの下の極板に+Qの電荷がたまることになります。
このとき、 コイルには電流が流れなくなり、I=0 となります。
交互に電流が流れる電気振動
下の極板に電気量+Qが蓄えられた状態をよく見てみましょう。
スイッチを入れた直後の状態と比べると、 帯電量が上下の極板で逆になっただけ ですよね。今度は、下の極板が高電位となったので、正電荷が先ほどとは逆向きに流れるようになります。
電流が上向きに最大値I0になる と、 極板の電気量は0 となります。しかし、電荷の移動はこの後も続き、やがて上の極板に電気量Qが蓄えられて……と延々と繰り返すことになるのです。
このように、交互に向きの変わる電流( 振動電流 )が流れる現象を 電気振動 と言います。
電気振動でも「リアクタンスが一致」
電気振動が生じている回路は、コンデンサーの極板間の電位差とコイル両端の電位差が常に等しくなります。 並列共振 と同様、
ωL=1/ωC
となり、 コイルとコンデンサーのリアクタンスが一致 します。
また、電流Iと時間tとの関係は、時計回りの向きをプラスとしたとき、下の図のようなグラフで表されます。
一種の交流回路とみなすことができ、 周期はT=2π/ω で表されます。並列共振の条件式 ωL=1/ωC とあわせて考えれば、周期Tを求めることができますね。具体的な計算は次の練習問題で扱います。
LC共振回路ではエネルギーが保存される
さて、 LC共振回路 では、もう1点重要なことを解説しておかなければなりません。 エネルギーの保存 についてです。
実は、 LC共振回路におけるコンデンサーのエネルギーUCとコイルのエネルギーULの合計は保存される のです。なぜなら、この回路には抵抗がありません。導線などの抵抗が0であれば、熱エネルギーとして失われる恐れがないのです。そのため、以下のような関係式を立てることができます。
コンデンサーとコイルのエネルギーの合計が一定なので、もし片方が0ならば、もう片方は最大値となります。
前回の授業で、 並列共振 について学習しました。コンデンサーとコイルを並列接続し、交流電源につなげたとき、条件が整うと コンデンサーとコイルの間にだけ電流が流れる並列共振の状態 を作り出すことができます。このとき、 交流電源から流れ出る電流は0 になりましたね。