5分で解ける!導体棒の起電力、ローレンツ力による証明に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
磁場と電流の方向に注意して、右ねじの法則を使う
ローレンツ力の向きは、 右ねじの法則 で求めることができます。右手の4本指を電流の向きから磁場の向きへと回したとき、親指の方向がローレンツ力の向きとなります。
では、問題文で与えられた情報を図に書き込み、電流と磁場の向きを確認しましょう。
磁場 は、図の記号から 裏から表の方向 だとわかります。また、導体棒は右向きに動いているので、自由電子の移動方向も右向きです。このとき、 電流 は自由電子の反対の 左向き に流れると考えられます。したがって、右ねじの法則から、ローレンツ力は QからPへ向かう方向 だとわかりますね。
次に、ローレンツ力の大きさfを求めましょう。公式より、
f=qv⊥B
です。自由電子の電気量はq=-eで、速度は磁場vに対して垂直なので、v=v⊥です。qはあくまでも大きさなので、符号を外して値を代入しましょう。
(静電気力)=(ローレンツ力)のつりあいの式を立てる
自由電子はローレンツ力を受けることによって、導体棒の面Pに移動します。面Pがマイナス、面Qがプラスに帯電することにより、 QからPの向き に 電場E が発生しますね。
電子が受けるローレンツ力fと、電場Eから受ける静電気力eEがつりあうとき、自由電子の動きが止まり、電場Eの値が一定となります。つまり、 f=eE と立式できますね。この式に(2)の結果を代入して、電場Eの大きさを求めましょう。
(電位差V)=(電場E)×(距離d)
求めたい起電力とは、 PQ間に生じる電位差 のことです。 電位差 は +1[C]の電荷が持つ位置エネルギーの差 であり、 +1[C]の電荷を運ぶときの仕事 と等しい値でした。
起電力の大きさをV[V]、低電位となるPを基準の0[V]とすると、Qが高電位のV[V]です。あとは +1[C]の電荷を、QからPまで運ぶときの仕事 を求めればよいのです。
(仕事)=(力)×(距離) でしたね。静電気力Eに逆らって、導体棒の長さℓだけ、+1[C]の電荷を運ぶときの仕事は、 1×E×ℓ なので、
V=Eℓ
ここに(2)の結果 E=vBを代入 すると、 導体棒の起電力V=vBℓ となることを証明できます。
磁場を導体棒が垂直に横切る問題です。この導体棒に起電力が生じることを、先ほどのポイントの授業で確認しましたね。この問題では、 起電力V=vBℓ となることを証明していきます。