5分でわかる!N型半導体
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この動画の要点まとめ
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「半導体」とは?
半導体とは、 導体と不導体の中間に存在する物質 です。 導体 は、アルミニウムのような抵抗値が極めて小さい物質で、 電気を通しやすい性質 がありました。 不導体 はプラスチックのような抵抗値がとても大きなもので、 電気を通しにくい性質 です。
つまり 半導体 は 電気の通しやすさが導体と不導体の中間にある物質 なのです。 ゲルマニウム や シリコン などが半導体の具体例になります。半導体の1つであるシリコンは、原子番号14の ケイ素Si の別名になります。
ホールとキャリアとは?
半導体の 電気の通しやすさが導体と不導体の中間 という性質について、 シリコン を例にしてもう少し詳しく解説しましょう。
シリコンは 最外殻に4個の価電子を持った原子 です。手が4本ある原子をイメージしてください。シリコンは隣り合う原子同士と1本ずつ手を結び合い、下の図のような 共有結合 となる結晶構造をとります。
共有結合なので、 自由電子は存在しません ね。したがって、 常温では電流が流れにくい のです。
しかし、 半導体 では温度が上昇すると、原子の熱運動が激しくなり、一部の電子が原子から離れて半導体の内部を自由に動き回るようになります。このとき、 電子が離れたあとにできる穴 を ホール(正孔) といいます。
ホールは、近くの価電子がうめます。すると、新たにホールが空きますよね。このホールも、近くの価電子がうめて……と繰り返すと、 ホールの移動はまるで正電荷を持つ粒子の移動 のようにとらえられます。このように、 半導体の内部を移動して電荷を運び、電流の担い手となる のが キャリア です。
5価の不純物を加えた「N型半導体」
価電子数4 の半導体である ゲルマニウム や ケイ素 に、 価電子数5 の ヒ素 や リン などの不純物を微量加えたものを N型半導体 といいます。
例えば、シリコンSiで構成された結晶に、5価のリンPを微量添加してみましょう。すると、本来シリコンで構成される場所にリンが入ります。
リンは手が5本あるので、うち4本は他のシリコンと共有結合をしますが、手が1本余ります。これが、自由に動く 電子 となるのです。余った電子は、電流の担い手、つまり キャリア となります。
N型半導体のNとは negative 、 負 や マイナス を表します。 マイナスの電荷が電流の担い手となる半導体 なので、 N型半導体 と言うのです。
今回は 半導体 のうち N型半導体 について解説します。