5分でわかる!ダイオード(順方向)
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この動画の要点まとめ
ポイント
一方向にしか電流が流れない
ダイオード には、 一方向にしか電流を流さない という特徴があります。下の図は、P型半導体とN型半導体をくっつけたダイオードに電池を接続した回路になります。
Pの方が電池の高電位、Nの方が低電位につながれているので、電流は図の矢印の方向に流れようとしますね。このとき、電流は本当に流れるのでしょうか?
P型のキャリアの動きに注目
P型半導体とN型半導体のキャリアの動きに注目して、電流が流れるかどうかを確認してみましょう。図の矢印の方向に電流を流そうとするとき、電場の方向もP→Nの向きですね。
P型半導体は キャリア 、つまり電流の担い手は ホール(正孔) でした。ホール(正孔)はプラスの電荷と同じ振る舞いをするのが特徴なので、 電場と同じ向きの力を受けて移動 しますね。P型半導体のホール(正孔)は、やがてP型半導体とN型半導体のくっついた部分である 接合面 に達します。
N型のキャリアの動きに注目
今度は、N型半導体の キャリア 、つまり電流の担い手である 電子 に注目しましょう。
電子は 電場と逆向きの力を受けて移動 しますね。N型半導体の電子も、やがてP型半導体とN型半導体のくっついた部分である 接合面 に達します。
接合面で出会ったお互いのキャリアは……
P型半導体とN型半導体のキャリア、つまりホール(正孔)と電子は、 接合面 で出会うことになります。
ホール(正孔) は 電子の空いた穴 のことでしたよね。したがって、N型半導体からやってきた電子が、P型半導体の正孔の中にスポッと入ります。 電子と正孔が接合面で出会い、消滅する のです。
このとき、電池は電位差を保つようにはたらくので、P型半導体から新たな電子を反時計回りに運び、N型半導体に電子を送り込みます。N型半導体にたどりついた電子はキャリアとなって接合面に移動し、再びホール(正孔)と出会って消滅します。あとはその繰り返しです。
結局、 N型からP型に電子が移動し、P型からN型に電流が流れる のです。これがダイオードに電流が流れるときの仕組みです。
ダイオードを記号で表すと?
ダイオードを記号で表したものが下の図になります。
まるで矢印のように見えますね。記号は、 矢印の方向には電流が流れる ということを表し、この方向を 順方向 と言います。回路の電流の向きが順方向と同じときは、ダイオードを 導線 とみなすことができます。
前回の授業では、 P型半導体 と N型半導体 について学びました。これらのP型半導体とN型半導体を組み合わせた ダイオード という部品について解説しましょう。