5分でわかる!光電効果とは?
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この動画の要点まとめ
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光電効果とは?
これまで 光 は 波 として扱ってきましたね。しかし、19世紀の後半、光を波として考えると、つじつまのあわないような実験結果が得られました。 光電効果 です。
光電効果 とは、 よく磨いた金属板に光を当てたとき、金属板から電子が飛び出す現象 のことをいい、飛び出した電子を 光電子 といいます。実験では、光の振動数ν(ニュー)の値や光の強さを変えながら、金属板から飛び出る光電子の最大の速さvmaxや、1[s]あたりに飛び出る光電子数n[個/s]を観測しました。
すると、次の3つの実験結果が得られたのです。
3つの実験結果について、それぞれの内容を確認しましょう。
振動数が増えると、エネルギーの最大値が増加
実験結果1では、光の振動数νを増加させることで運動エネルギーの最大値Kmaxの増加を確認しました。Kmaxは、1/2・mvmax2と表されますね。
光の強さが増えると、光電子の数が増加
振動数を変えず、光の強さのみを増加させた場合は、運動エネルギーが変化しませんでした。その代わりに、光電子の数が増加したのです。実験結果1とは違った結果が得られていますね。
振動数が小さすぎると、光電子は発生しない
また実験結果3では、ある振動数ν0より小さい振動数では光電子が出てこないことが確認されました。このν0は定数になります。
光電効果では光を波と説明できない!?
光電効果で得られた3つの実験結果は、 「光は波である」 と考えると全く説明することができない現象です。
まず エネルギー について。電子が飛び出すということは光の持つエネルギーが金属の電子に与えられた結果、電子が運動エネルギーを得たと考えることができます。 波のエネルギー は 振幅Aの2乗と振動数νの2乗に比例 するはずです。 波のエネルギー∝A2ν2 が成り立つのですね。この振幅Aは、光の強さ(明るさ)と対応する値です。したがって、実験1・2のように、振動数や波の強さを増加させた場合、両方とも運動エネルギーKmaxは増加するはずなのです。しかしながら、結果は、振動数を増加させた結果1と光の強さを増加させた結果2で違いが起きています。
次に 光電子数 について。実験結果3では、光の強さをどれだけ大きくしても、つまり振幅を大きくしても光電子が出てきませんでした。光が波であるならば、振動数が小さくても、振幅を大きくすれば、光の持つエネルギー量は大きくなり、光電子は出るはずです。
この光電効果が起こる理由を上手く説明したのは、みなさんもよく知るあの物理学者・ アインシュタイン です。アインシュタインがどのように光電効果を説明したのか、次のポイントで詳しく見ていきましょう。
第5章では 「原子」 について学習していきましょう。第1回目の授業では、 光 をミクロの視点で見ていきます。