5分でわかる!光電管の光電流
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この動画の要点まとめ
ポイント
電極bから放出された電子が電極aに到達
光電管には、小さい電極aとお椀型の電極bがあり、2つの電極はそれぞれ直流電源に接続します。アースした電極b側を0[V]とし、電極aの電位は、プラスからマイナスまで自由に変えることができるものとします。
この光電管の電極bに向かって、光を照射します。うまく条件が整うと、光電効果によって電極bからは電子が放出されますね。電子は電極aへと繰り返し送られ、電子は導線や電流計を通って電極bの方へと移動します。このとき、電流計を流れる電流は、光を当てたことにより流れる電流なので 光電流 といいます。
電流と電圧の関係からわかる2つの大事なポイント
電流計と電圧計を接続し、回路に流れた電流と電極ab間の電位を測定すると、図のような関係が見られます。
横軸Vは電極bを基準0[V]としたときの電極aの電位を表します。 −V0で電流が0 であり、その後 Vが十分に大きければ電流がI0でほぼ一定 となるグラフになっていますね。
このグラフから実は 2つの大事なこと を読み取ることができます。 ①単位時間あたりに飛び出す光電子の数 と、 ②飛び出す光電子の運動エネルギーの最大値 を求めることができるのです。それぞれ詳しく解説しましょう。
電流の大きさと電子の個数の関係に注目
①単位時間あたりに飛び出す光電子の数 は、 一定になるときの電流I0 に注目することで求められます。
電極a、電極bを2枚の電極板に置き換えて考えていきましょう。
電極bを基準の0[V]、電極aの電位をV[V]とし、電子が1秒あたりにn個飛び出したとします。電子の電気量を−e[C]と表しておきましょう。
では、このときの電流I0はいったいいくらになるでしょうか。 電流 とは 1秒間に通過する電気量 のことを指すのでした。今、1秒あたりに飛び出す電子がn個で、これが全て電極aに届いています。1個当たりの電気量の大きさはeであるため、これに飛び出した電子n個をかければ電流が求められますね。つまり、
I0=e×n
となります。Vをどんなに大きくしても飛び出す電子の数は一定なので、この電流の値は一定となります。
グラフからI0が分かれば、 ①単位時間あたりに飛び出す光電子の数 が求められるのですね。次のポイントでは、 ②飛び出す光電子の運動エネルギーの最大値 の求め方を解説します。
光電効果によって飛び出る電子を利用して、電流を流す装置を 光電管 と言います。今回は、 光電管 で流れる電流について詳しく解説しましょう。