高校物理
5分で解ける!コンプトン効果に関する問題
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練習の解説授業
衝突後の光子のエネルギーに注意
光子と電子の持つ衝突前後のエネルギーを考えて、エネルギー保存の式を立てましょう。まず、 衝突前の光子のエネルギーE は、光速c、波長λを使って、
E=hν=h×c/λ
と表されます。
電子 は静止していたので、 エネルギーは0 です。
次に 衝突後の光子と電子のエネルギー を考えます。
衝突後の光子のエネルギーE' に注意しましょう。波長がλ'へと変化しているので、
E'=h×c/λ'
と表されます。
電子 は 運動エネルギー(1/2)mv2 です。
したがって、運動前後のエネルギー保存の式は次のようになりますね。
運動量保存はベクトル和を考える
光子と電子の衝突において外力ははたらいていません。外力がないとき、 運動量が保存 されますね。 運動量 は、 大きさと方向を持ったベクトル量 なので、次のように図形的に考えましょう。
衝突前の光子の持つ運動量 は 右向きに大きさh/λ です。 衝突後の光子の持つ運動量 は 角度がθで大きさh/λ' です。これに 電子の持つ運動量mv を足すと衝突前の運動量と一致しますね。
上の図の三角形で、θ、λ、λ'の関係式となるように 余弦定理 を使うと答えになります。
(1)(2)の結果からvを消去しよう
まず問題文の近似式は、 相加・相乗平均の関係 から考えることができます。
λ'/λ+λ/λ'≧2√(λ'/λ・λ/λ')=2
λ'≒λが成立するとき、等号が成立し、 λ'/λ+λ/λ'=2 となるのです。
では、この近似式を踏まえて、(1)、(2)の結果からvを消去し、λ'−λを求めましょう。
X線の照射により、入射した光子の波長がλからλ'へと変化しています。まさに コンプトン効果 ですね。波長が変化する原因を電子と光子の衝突として考えていきましょう。