高校物理
5分で解ける!エネルギー準位に関する問題
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練習の解説授業
運動エネルギーKと位置エネルギーUの和を考える
まず、水素原子の図を描くと下のようになります。
この軌道電子がもつ力学的エネルギーEは、 運動エネルギーKと位置エネルギーUの和 となりますね。
運動エネルギーK は、
K=1/2mv2
となります。
では、 位置エネルギーU はどうなるでしょうか? 荷電粒子の位置エネルギー は、 (電気量q)×(電位V) で求められましたね。電気量は-e、電位はk×(e/r)なので、
U=(−e)×(ke/r)
となります。
したがって、力学的エネルギーEは、
E=K+U
⇔ E=1/2mv2+(−e)×(ke/r)
運動方程式からmv2を消去する
ここで、式の中にあるmv2に注目しましょう。mv2は、軌道電子の運動方程式の中にも含まれていましたね。
運動方程式より、
mv2=ke2/r
として、力学的エネルギーEの式に代入します。
E=1/2mv2+(−e)×(ke/r)
⇔E=(1/2)ke2/r+(−e)×(ke/r)
⇔ E=(-1/2)ke2/r
エネルギーは半径rの関数として表すことができました。
半径rnの式を代入しよう
E=(-1/2)ke2/r の式に、問題文で与えられている半径rnの式を代入すると、エネルギー準位Enの式になります。
この式において、分数部分は定数であり、 大切なのは1/n2 です。n=1,2,3,……と代入すると、電子の持つエネルギーが飛び飛びの値を取ることがわかります。
量子条件を満たしているときの電子の状態を 定常状態 といい、定常状態における電子のエネルギーを エネルギー準位 と言います。ようするに、この問題では、電子の力学的エネルギーを求めればよいのです。