5分でわかる!放射線
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この動画の要点まとめ
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質量数4、原子番号2が減る「α崩壊」
原子核がα線を放出することを α崩壊 と呼びます。下の図の〇の中に質量数A、原子番号Zの元素Xがあったとし、ここからα線が飛び出すことを考えましょう。
飛び出したα線の正体は ヘリウムの原子核 でしたね。原子核からヘリウムが飛び出ると、当然中身が変わります。このとき、注目したいのは 質量数と原子番号の変化 です。もともと(Z、A)だった元素が、 質量数4、原子番号2のヘリウムの原子核 を放出することになります。したがって、 質量数は4、原子番号は2減り、(Z−2、A−4) となります。α崩壊が起きると、 別の原子になる のです。
中性子が陽子に変わる「β崩壊」
原子核がβ線を放出することを β崩壊 と呼びます。下の図の〇の中に質量数A、原子番号Zの元素Xがあったとし、ここからβ線が飛び出すことを考えましょう。
飛び出したβ線の正体は 電子 でしたね。ただし、核には陽子と中性子しかなかったですよね。どこから電子が出てくるのかと言うと、実は 核の中にある中性子 からです。β崩壊では、核の中にある 中性子が電子を1個放出して、陽子に変わる 現象が起きるのです。電気量0の中性子が、電気量-eの電子を放出して、電気量+eの陽子になることで、電気量が保存されますよね。
電子が生まれることで電気量の保存は満たされますが、このとき、質量も電気量もほとんど0の素粒子、反電子 ニュートリノ が外に飛び出ます。
核内の現象 中性子n→陽子p+電子e−+ニュートリノve
このニュートリノについては、第5章の最後の授業「素粒子」で詳しく解説しますね。
β崩壊 では、中性子が陽子に変わるので 質量数は変化しません が、 陽子の数が増えるので原子番号Zが1増えます。 α崩壊と異なり、質量数が一定であることに注意しましょう。
核の中身が変化しない「γ崩壊」
原子核がγ線を放出することを γ崩壊 と呼びます。下の図の〇の中に質量数A、原子番号Zの元素Xがあったとし、ここからγ線が飛び出すことを考えましょう。
飛び出したγ線の正体は 波長の短い電磁波 です。電磁波が出ても核の中身は変わらないので、 原子番号、質量数に変化はありません。
α崩壊、β崩壊、γ崩壊の違いをしっかりとおさえておきましょう。
放射線には、α線、β線、γ線の3種類がありました。この3種類の放射線を出すことにより、原子核がどう変化するのかを解説していきましょう。