5分でわかる!粒子と反粒子
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
素粒子とは?
物質を構成する最小単位の粒子のことを 素粒子 と言います。これまで、原子はプラスの電荷の陽子、電荷0の中性子、マイナスの電荷の電子の3種類の粒子で構成されていると考えてきましたね。 陽子、中性子、電子も素粒子の1つ になります。
湯川秀樹が発見した「中間子」
素粒子 は、陽子、中性子、電子だけでなく、様々な種類のものが発見されています。例えば、日本の物理学者・ 湯川秀樹 が予測した 中間子 もその1つです。 中間子 とは、陽子と電子の中間の質量をもつ素粒子です。
湯川秀樹は、原子核の構造に疑問を持ち、 中間子 の存在を予測しました。
原子核の構造をよく考えると、プラスの陽子同士が接しているため、斥力が発生してしまいます。原子核の直径は約10−15mととても狭い範囲なので、大きな反発力がはたらいているはずです。にも関わらず、隣接しているということは、陽子と中性子、または陽子同士をくっつける何か大きな力( 核力 )がはたらいているのではないかーーと湯川秀樹は考えました。そこで、陽子と中性子を互いに結合させる強い相互作用の媒介となる素粒子、 中間子 の存在を理論的に予測したのです。
湯川秀樹の考えは、当初、物理界ではまったく注目されませんでした。しかし後に、宇宙線(宇宙から降り注ぐ高エネルギーの放射線)の中から、湯川が予測した中間子が発見されたのです。この功績により、湯川秀樹はノーベル物理学賞を受賞しました。
宇宙線をさらに調べたところ、別のさまざまな素粒子も見つかっています。
反粒子とは?
現在では、素粒子のそれぞれに対して 反粒子 が存在することがわかっています。例えば、素粒子の1つである電子は電気量-e[C]であることはよく知っていますよね。実は、この電子と同じ質量で電気量+e[C]をもつ 陽電子 が存在します。
この陽電子は電子に対して反対の性質をもった粒子であり、まさしく 反粒子 です。素粒子と反粒子は、 質量が同じ で、電荷ががある場合、 電気量の大きさが等しく符号が正反対である という特徴があります。素粒子と反粒子が出会うと消滅し、莫大なエネルギーが生まれます。
素粒子と反粒子の関係をしっかりと覚えておきましょう。
今回は、 素粒子と反粒子 について解説していきましょう。