5分でわかる!分留とは
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この動画の要点まとめ
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これまで、混合物を分離する方法について、学んできました。
前回学んだのは、 蒸留 でしたね。
蒸留とは、 「固体と液体の混合物」 から、液体だけを取り出す操作でした。
食塩と水の混合物(食塩水)から、水を取り出すイメージでしたね。
しかし、混合物には、他のパターンもありますよね。
「液体と液体の混合物」や「固体と固体の混合物」も考えられます。
今回は 「液体と液体の混合物」 から液体を取り出す操作を紹介していきます。
分留とは「溶液(2種類以上の液体)から液体を分離する操作」、キーワードは「沸点の差」
まず、今回の目的は、 溶液(2種類以上の液体)から液体を分離する ことです。
このような操作を 「分留」 といいます。
分留において重要なのは、 「沸点の差」 を利用しているという点です。
図のように、 石油 を分離する方法を見ながら確認していきましょう。
石油といえば、色々なところで使われている燃料です。
しかし、私たちは石油をそのまま利用しているわけではありません。
石油にはいろいろな液体が混ざっている ので、その成分を取り出して利用しているのです。
さて、図の左下を見ると、この 石油が加熱 されています。
加熱された石油は、右の方に移っていきます。
その際に、下に沈んでいるものと、上に昇っていくものがありますね。
下に沈んで分離された成分を、 重油 といいます。
それでは、どうして重油は沈むのでしょうか?
ここには沸点が深く関係しています。
重油の沸点は 350℃以上 で、非常に高いです。
沸点が高いということは、気体になりにくい ということでした。
重油は気体になりにくいので、液体のまま下に貯まるわけですね。
ちなみに、重油は工業的に水を沸騰させる装置に利用されています。
この装置のことを、 ボイラー といいます。
それに対して、気体になって、上に昇っていったものは、どうなるでしょうか?
まず、気体になったものは、右下の部屋を通って、その上の部屋に入ります。
その際に、空気によって冷やされますよね。
すると、気体に含まれる成分のうち、 沸点が低いものが液体に 変わります。
これによって分離されるのが、 軽油 です。
軽油の沸点は、 250℃~320℃ です。
これは、先ほどの重油よりは低いものの、比較的高い温度です。
ちなみに、軽油は、 トラックの燃料 などに使われています。
軽油が分離されても、まだまだ気体の成分は残っています。
次の部屋に行くと、同じしくみで、 灯油 が分離されます。
灯油の沸点は、 180℃~250℃ です。
やはり、軽油よりは低い値ですね。
灯油は ストーブ などによく使われていますね。
最後に、もう一つ上の部屋に到着すると、液体の 粗製ガソリン を得ることができます。
粗製ガソリンの沸点はさらに低く、 30℃~180℃ 程度です。
粗製ガソリンは、 乗用車の燃料 などに使われています。
さて、粗製ガソリンが分離されても、気体の状態で残っているものがあるようです。
このように、沸点が非常に低く、ガス状のものを 石油ガス といいます。
石油ガスは ガスコンロ などに使われています。
このようにして、石油を各成分に分離することができました。
分留には、 沸点の差 が利用されていることをおさえておきましょう。
今回のテーマは、「分留」です。