5分でわかる!昇華法とは
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この動画の要点まとめ
ポイント
私たちのまわりの物質は、様々な状態で存在しています。
水を例に考えて見ましょう。
水は通常は液体ですが、固体の氷になったり、気体の水蒸気になったりすることがあります。
このように、物質の状態が変わることを 「状態変化」 といいましたね。
状態変化の中で有名なのは、液体が固体になる「凝固」や液体が気体になる「気化」です。
今回は、 「昇華」 という状態変化に注目しましょう。
「昇華」とは、固体⇒気体に一気に変化すること
昇華という言葉は、みなさんにはあまりなじみがないかもしれません。
しかし、実はみなさんの身のまわりでも昇華は起こっているのです。
みなさんは、スーパーマーケットなどで買い物をしたとき、ドライアイスをもらったことはありませんか?
ドライアイスは食品を冷やすために用いられる、保冷剤です。
この ドライアイス は、 二酸化炭素 でできた固体です。
二酸化炭素といえば、気体の状態が有名ですよね。
そして、ドライアイスは固体として存在しています。
しかし、液体の二酸化炭素は見たことがないのではないでしょうか?
常温状圧において、二酸化炭素は、なんと 固体⇒気体に一気に変化する のです。
水が、固体⇒液体⇒気体の順に変化することと比べると、非常に特徴的ですね。
このように、固体がいきなり気体になることを 昇華 というのです。
昇華法は、「固体同士の混合物」の中から、昇華しやすい固体を分離する操作
昇華という性質を利用して物質を分離する方法が、 昇華法 です。
「固体同士の混合物」の中から、昇華しやすい固体を分離する操作 と覚えておきましょう。
ちなみに、蒸留は「固体と液体の混合物」、分留は「液体同士の混合物」を分離する操作でしたね。
この2つと区別しておきましょう。
昇華法によって、ヨウ素と砂の混合物からヨウ素を分離できる
それでは、実際に昇華法を使って、分離する実験を見てみましょう。
ビーカーの中には、 ヨウ素と砂の混合物 が入っています。
その上に、水が入った丸底フラスコがのせられています。
そして、ビーカーをガスバーナーで加熱していますね。
さぁ、加熱していくとヨウ素と砂がどのようになるか考えてみましょう。
まず、ヨウ素は二酸化炭素と同じように、 昇華しやすい物質 です。
つまり、ヨウ素は、固体からいきなり気体になるわけです。
一方、砂を加熱したところで、気体や液体になる様子は見られませんね。
ヨウ素は昇華して気体になりますが、砂は変化しない ということになります。
そして、気体になったヨウ素が、ビーカーの中に充満します。
ちなみに、ヨウ素は珍しく、色のある気体です。
そのため、ビーカーの中が 青紫色 に染まったように見えます。
その後、気体のヨウ素は、水の入ったフラスコに到達します。
すると、ヨウ素が水に冷やされて、気体から固体に戻るのです。
最後に、フラスコにくっついた固体を回収しましょう。
この固体は純水なヨウ素で、砂は混じっていません。
砂は加熱したところで、昇華しないからでしたね。
このようにして、 「固体同士の混合物」 の中から、 「昇華しやすい固体」 を分離する操作が昇華法です。
今回のテーマは、「昇華法」です。