5分でわかる!色々な物質の分離の仕方
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この動画の要点まとめ
ポイント
ここまで、混合物を分離する方法について、学んできました。
蒸留・分留・昇華法 などがありましたね。
今回は、他の分離方法についても確認していきましょう。
「抽出」は、特定の成分が特定の溶媒に溶け出す性質を利用
1つ目の分離方法から確認していきます。
まずは、図のような 紅茶 をイメージしましょう。
みなさんが紅茶を飲むとき、どのようにして紅茶をいれますか?
お茶の葉が入ったティーバッグを買ってきて、お湯に浸す方法がありますよね。
これは、茶葉をお湯に浸すことで、匂いや味を取り出しているのです。
実は、これも混合物の分離方法の一つなのです。
匂いや味のもとになる成分が お湯に溶けやすい という性質を利用しているわけです。
このように、 「特定の成分が特定の溶媒に溶け出す性質」 を利用した分離方法を、 「抽出」 といいます。
「再結晶」は、温度変化による物質が溶ける量の差を利用
2つ目の分離方法を紹介していきます。
みなさんは、図のようなグラフを見たことがあるでしょうか?
きっと中学校の理科でならっているはずです。
何を表したグラフなのかわからない人は、縦軸と横軸に注目しましょう。
縦軸は「100gの水に溶ける物質の質量」(溶解度)です。
横軸は「水の温度」を表しています。
つまり、このグラフは、 「溶解度」と「温度」の関係 を表しているのです。
例えば、硝酸カリウムのグラフに注目しましょう。
0℃のときには、10gぐらいしか溶けません。
しかし、30℃になると、45g溶けていますね。
さらに、50℃ぐらいになると、80gぐらい溶けています。
このことから、硝酸カリウムは、「温度が上がるほど溶けやすくなる」ことがわかりますね。
逆に、温度を急激に下げたらどうなるでしょうか?
溶解度が小さくなるので、水に溶けきれない硝酸カリウムがでてきますよね。
それを結晶として抽出することができます。
この方法を 「再結晶」 といいます。
それに対して、塩化ナトリウムはどうでしょうか?
塩化ナトリウムは、温度が変わっても、溶ける量がほとんど変わりません。
すると、温度を急激に下げても、得られる塩化ナトリウムはわずかです。
さて、混合物の分離の話に戻ります。
硝酸カリウムと塩化ナトリウムの混合物から、硝酸カリウムを取り出してみましょう。
まずは、この混合物をビーカーの水に溶かします。
この水溶液を加熱した後、急激に冷やすとどうなるでしょうか?
硝酸カリウムの結晶は、大量に出てきます。
しかし、塩化ナトリウムの結晶はほとんど出てきません。
つまり、得られた結晶のほとんどは、硝酸カリウムですね。
再結晶は、 「温度変化による、物質が溶ける量の差」 を利用しているわけです。
「ペーパークロマトグラフィー」は、ろ紙を伝わる速さの差を利用
3つ目の分離方法を紹介していきます。
図の左のような試験管があります。
この中に展開液というものが入っています。
そこに、黒のボールペンのインクを染み込ませた ろ紙 をひたしましょう。
このように準備すると、インクの成分がろ紙を広がっていきます。
展開液とは、インクの成分が広がりやすくするためのものですね。
それでは、ろ紙に広がっていく成分は、どのような色でしょうか?
みなさんは、当然黒だと思ったのではありませんか?
結果は図の右のようになります。
なんと、黒以外にも、黄色や緑色、青色が現れました。
つまり、黒いインクの中には、様々な色の成分が混ざり合っていたのです。
この実験もインクという混合物をいくつもの成分に分離していたわけです。
このように、 「ろ紙を伝わる速さの差」 を利用した分離方法を、 「ペーパークロマトグラフィー」 といいます。
今回は、 抽出・再結晶・ペーパークロマトグラフィー という3つの分離方法を紹介しました。
それぞれの特徴を押さえておきましょう。
今回のテーマは、「いろいろな物質の分離の仕方」です。