5分でわかる!配位結合とは
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この動画の要点まとめ
ポイント
原子の間で共有されている「共有電子対」、共有されていない「非共有電子対」
少し特殊な結合を紹介していきましょう。
図は、アンモニアの結合を表しています。
Nのまわりには、ペアになっている電子が4ペアあります。
これらのうち、3つはNとHの間にありますね。
このようなペアを 「共有電子対」 といいます。
これらの電子は、NとHの間で共有されているわけです。
しかし、その他にもう一つペアがあります。
Nの右側にあるペアですね。
こちらを 「非共有電子対」 といいます。
これまで共有結合について考えるときに重要だったのは、共有電子対の方でした。
それでは、非共有電子対が反応に関与することはないのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
「配位結合」は、電子対が一方の原子だけから提供されてできる共有結合
図には、左に アンモニア 、右に 水素イオン があります。
ここで着目するのは、アンモニアのNの右側にある電子のペアです。
これらは結合に使われていないので、非共有電子対ですね。
これまで、電子を「手」にたとえてきました。
そのイメージで言うと、非共有電子対は2本の手です。
自分の手を、また別の手でつないでいるようなイメージです。
しかし、手が2本あるということは、 別の原子と結びつく可能性 もあります。
実際に結合の様子を見てみると、図のようになります。
H+のHには、もともと手がありませんでした。
しかし、NH3から、手が提供されて結合ができていますね。
これによってできたイオンを、 「アンモニウムイオン」 といいます。
このような結合は、他にもあります。
左に 水 、右に 水素イオン がありますね。
今回注目するのは、水のOの下にある電子のペアです。
こちらも非共有電子対になっています。
そこに水素イオンがくっつくことによって、次のような結合ができます。
H+のHには、もともと手がありませんでした。
しかし、H2Oから、手が提供されて結合ができていますね。
これによってできたイオンを、 「オキソニウムイオン」 といいます。
このように、電子対が一方の原子だけから提供されてできる共有結合を、 「配位結合」 といいます。
配位結合は、他の共有結合と区別できない
最後に、配位結合については、よく試験で問われることがらがあります。
できあがったオキソニウムイオンには、もとからあった共有結合(左や右)と新たにできた配位結合(下)があります。
これらは、出き方が異なっていますが、後から 区別することはできません。
ですから、「オキソニウムイオンの配位結合は、他の共有結合と区別できる」というような文章があれば、それは誤っているわけです。
今回のテーマは、「配位結合」です。