5分でわかる!結合の極性
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この動画の要点まとめ
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イメージを湧かせるために、まずは、図を見てください。
図には、塩化水素(HCl)が表されています。
HとClが電子を共有して、結合していますね。
今、注目するのは、真ん中にある 共有電子対 です。
この共有電子対は、HとClのちょうど真ん中あたりにあるのでしょうか?
実は、そうではありません。
電気陰性度のちがいにより、共有電子対がどちらかに偏る
原子によって、共有電子対を引っ張る力が決まっていました。
それが 電気陰性度 でした。
共有電子対を引っ張る力が異なるのですから、電子がちょうど真ん中で止まっているわけではありません。
綱引きの例を考えてみても、引っ張る力が強いチームの方に、綱は偏ってきますよね。
同じことが原子と原子の間でも起こっているのです。
「極性」とは分子内での電気的な偏り、「分極」とは極性が生じること
さぁ、それでは共有電子対は、「H側」と「Cl側」のどちらに偏っているのでしょうか?
それを考えるときに重要なのは、やはり 電気陰性度 です。
どちらの引っ張る力が強いのかを考えればよいわけです。
電気陰性度の覚え方を覚えていますか?
「フォン、狂っちゃう」 でしたね。
つまり、 F>O>N、Cl>C>H という順番になっているのです。
さて、今回登場しているのは、「H」と「Cl」でしたね。
「Cl>C>H」ということは、「HよりもClの方が電気陰性度が大きい」ということがわかります。
引っ張る力が強いのはClなので、 共有電子対はClの方に偏る ということがわかりますね。
ここで、電子はマイナスの電荷を持っていました。
そのため、Clが少しマイナスに、Hが少しプラスに偏るわけです。
このように、電気陰性度のちがいから、電荷にも偏りができてしまうわけです。
このような、分子内での電気的な偏りを、 「極性」 といいます。
さらに、極性が生じることを、 「分極」 といいます。
用語だけでなく、その原理を押さえておきましょう。
今回のテーマは、「結合の極性」です。