今回のテーマは、「極性分子と無極性分子」です。

みなさんは、分子には 色々な形 があるということを学んできましたね。
直線形 や 折れ線形 などがありました。

また、前回は、 極性 について学びましたね｡
極性とは、分子の中の電気的な偏りのことでした｡

この２つの考え方を使うと、分子を大きく２つに分類することができます。

まずは、次の分子を見てください｡

「水」 、 「塩化水素」 、 「アンモニア」 の３つですね。
これらの分子について、極性を考えて見ましょう。
そのときにヒントになるのは、 「フォン、狂っちゃう（F>O>N､Cl>C>H）」 でしたね。

まず、水は、「O」の電気陰性度が高く､「H」は低いです。
そのため、共有電子対はO側に引っ張られています｡
そのせいで､分子は Oで折れ曲がったような形 となります｡

同様に、塩化水素は、「Cl」の電気陰性度が高く､「H」は低いです。
そのため、 共有電子対は、Cl側に引っ張られます。

アンモニアの場合も同じです。
「N」の電気陰性度が高く､「H」は低いですね。
そのため、 共有電子対は、N側に引っ張られます。

このように、水・塩化水素・アンモニアは、 分子全体として電荷の偏りがあります。
このような分子を､ 「極性分子」 といいます｡

それに対して、別のグループの分子を見てみましょう。

「水素」 、 「塩素」 、 「二酸化炭素」 の３つです。

まず、水素です。
水素は、同じ種類の原子からできた分子です。
同じ種類の原子ということは、電気陰性度も同じです。
引っ張る力が同じなのですから、 電気的な偏りもありません。
これは、 塩素の場合も同じ ですね。

さて、二酸化炭素はどうでしょうか？
「O」の電気陰性度が高く､「C」は低いですね。
ということは、共有電子対は、Cの方に引っ張られるのでしょうか？
実は、そうではありません。
Cのまわりには、Oが２つありますよね。
O同士の引っ張る力は同じです。
つまり、 Cは両端から同じ大きさの力で引っ張られている わけです。
ということは、 共有電子対がどちらか一方に偏ることもありません よね。

このように、水素・塩素・二酸化炭素は、 分子全体として電荷の偏りがありません。
このような分子を、 「無極性分子」 といいます。

極性分子と無極性分子のちがいを押さえておきましょう。