5分でわかる!密度とモル濃度
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この動画の要点まとめ
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みなさんは、 密度 という言葉を聞いたことがありますか?
密度と濃度は、少し似ているので、中々理解しにくいです。
今回は、 密度から濃度を求める 方法を見ていきましょう。
モル濃度の計算では、溶質の物質量molが重要
まずは、問題文を読んでいきます。
問題文で何が与えられているか、最終的に何を求めるのかを読み取るのが重要です。
質量パーセント濃度が 22% 、密度が 1.2g/mL の水酸化ナトリウム水溶液があります。
この水溶液の モル濃度 を求めていきましょう。
さて、どのようにしてモル濃度を求めるか、イメージできますか?
最初に注目するのは、 単位 です。
密度の単位は、「g/mL」です。
モル濃度の単位は、「mol/L」です。
「g/mL」 を 「mol/L」 に変換していくイメージですね。
計算の流れは次のようになっています。
「mol/L」を求めるためには、「mol」を計算する必要があります。
「溶質の物質量」 が大事だということを、覚えておきましょう。
モル濃度を求める問題では、好きな体積を設定してよい
もう一点気になるのが、 水溶液の体積 です。
これまで濃度を求めるときには、水溶液の体積や質量がわかっていましたよね。
しかし、今回の問題文では、水溶液の体積も質量も与えられていません。
これでは計算できないじゃないか、と思ったひともいるのではないかと思います。
実は、この問題は、 自分の好きな体積を設定してよい 問題なのです。
というのも、「モル濃度を求めよ」という問題なので、 水溶液の体積がいくらでも濃度は変わりません。
今回は計算をわかりやすくするために、 1L=1000mLに設定 しましょう。
「密度」は、一定の体積あたりの質量
それでは、実際に問題を解いていきます。
スタート地点は、「密度1.2g/mL」です。
密度というのは、「一定の体積あたりの質量のこと」です。
つまり、 「密度1.2g/mL」 は、 「1mLあたりの質量が1.2g」 という意味です。
「水溶液の体積1000mL」と「密度1.2g/mL」がわかっているので、「水溶液の質量」を求めることができますね。
1000mL×1.2g/mL=1200g
よって、この水溶液の質量は、体積1Lあたり質量は 「1200g」 です。
質量パーセント濃度〔%〕=(溶質の質量〔g〕/水溶液の質量〔g〕)×100
さて、この水溶液全体の質量がわかりました。
しかし、今求めたいのは、水に溶けている水酸化ナトリウムのモル濃度です。
必要なのは水酸化ナトリウムの質量であり、水は邪魔ですよね。
ですから、水溶液全体1200gのうち、 溶質の質量 はいくらか求めましょう。
このときに使うのは、質量パーセント濃度です。
質量パーセント濃度〔%〕=(溶質の質量〔g〕/水溶液の質量〔g〕)×100 ……(1)
これを使うと、「溶質の質量」と「水溶液の質量」の関係がわかるわけです。
今わかっているのは、水溶液の質量が1200g、質量パーセント濃度が22%です。
これを(1)の式に当てはめましょう。
22=x g/1200g×100
x=264
これにより、 水酸化ナトリウムの質量は264g だとわかりますね。
ここまでくれば、もう少しで「mol」にたどり着きます。
「質量264g」を「mol」に直しましょう。
「g」を「mol」に直すときには、 「モル質量」 を使いましたね。
水酸化ナトリウム1molの質量は、23+16+1=40gということです。
あとは、比例式を立てましょう。
1mol:40g=y mol:264g
y=6.6mol
よって、 水酸化ナトリウムの物質量は6.6mol です。
モル濃度〔mol/L〕=溶質の物質量〔mol〕/溶液の体積〔L〕
最後に、モル濃度を求めましょう。
モル濃度の求め方は、次の通りです。
モル濃度〔mol/L〕=溶質の物質量〔mol〕/溶液の体積〔L〕 ……(2)
今わかっているのは、「水酸化ナトリウムの物質量6.6mol」と「水溶液の体積1L」です。
これらを、(2)の式に当てはめましょう。
z mol/L=6.6mol/1L
=6.6mol/L
よって、答えは、 「6.6mol/L」 となります。
中々難しい問題でしたが、計算自体はそんなに難しくはありません。
何度も練習して、解き方をマスターしておきましょう。
今回のテーマは、「密度とモル濃度」です。