5分でわかる!酸と塩基の判別
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この動画の要点まとめ
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これまでみなさんは、中和滴定について学習してきましたね。
今度は、 中和をグラフで表す方法 を学習しましょう。
「滴定曲線」とは、中和の際のpHの変化を表したグラフ
次のグラフを見てください。
グラフの縦軸には pH が書かれています。
横軸は 滴下量 を表しています。
実はこれは、 強酸と強塩基の中和 を表したグラフなのです。
どのように変化しているか見ていきましょう。
まず、グラフの左下がスタート地点です。
この状態では強酸だけが含まれているので、pHは約1になっています。
そこに少しずつ強塩基を加えていきます。
すると、だんだんpHが上がっていって、真ん中あたりで急激に変化していますね。
最終的には、グラフの右上で、pHが約13になっています。
このように、グラフを読むと、中和の際のpHの変化がわかるのです。
このようなグラフを、 「滴定曲線」 といいます。
まずは、滴定曲線の読み方を覚えましょう。
続いて、他のパターンの中和も見てみましょう。
右のグラフは 弱酸と強塩基の中和 を表したグラフです。
左のグラフとどこが違っているか、わかりますか?
スタート地点がpH4あたり になっていますね。
この実験では弱酸を使っているため、 スタートのpHが高くなっている わけです。
最後にもう一つグラフを見てみましょう。
右のグラフは、 強酸と弱塩基の中和 を表しています。
このグラフは、最初の左のグラフとどこが違っているでしょうか?
ゴールのpHが異なっていますね。
右のグラフは、弱塩基を使っているため、 ゴールのpHが低くなっている のです。
以上、3つのグラフの読み取り方について整理しましょう。
酸・塩基を判別するためには、スタート・ゴールのpHに注目
まず、1つ目のポイントは、 「酸・塩基を判別するためには、スタート・ゴールのpHに注目」 です。
例えば、3つのグラフについて、強酸・弱酸、強塩基・弱塩基のどれを使っているのかわからない場合を考えましょう。
まず、左のグラフを見てみましょう。
スタートのpHはとても低いので、 強酸 を使っていることがわかります。
ゴールのpHはとても高いので、 強塩基 を使っていることがわかります。
それに対して、真ん中のグラフはどうでしょうか?
スタートのpHは、それほど低くはありません。
ということは、強酸ではなく、 弱酸 を使っているということになります。
最後に、右のグラフはどうでしょうか?
ゴールのpHは、それほど高くありません。
ですから、強塩基ではなく、 弱塩基 を使っていることになります。
このように、 スタート・ゴールのpHに注目すれば、強酸・弱酸、強塩基・弱塩基のどれを使っているのかがわかる のです。
酸・塩基を判別するためには、pHが急激に変化している部分に注目
続いて、2つ目のポイントも紹介しておきます。
「酸・塩基を判別するためには、pHが急激に変化している部分に注目」 です。
グラフの真ん中あたりに、pHが急激に上がって、直線のようになっている部分がありますよね。
この部分を pHジャンプ といい、グラフを読み取るヒントになることがあります。
左のグラフを見てください。
このグラフのpHジャンプは、縦に長いですね。
強酸と強塩基の中和においては、このように pHジャンプが長くなります。
次に真ん中のグラフです。
この場合、pHジャンプは、塩基性側に寄っていますね。
弱酸に比べて強塩基が強いため、 塩基性側に引っ張られている イメージですね。
最後に、右のグラフです。
こちらのpHジャンプは、酸性側に寄っています。
弱塩基に比べて強酸が強いため、 酸性側に引っ張られている イメージです。
このように、pHジャンプの部分に注目すると、強酸・弱酸、強塩基・弱塩基のどれを使っているのかがわかります。
以上、滴定曲線のポイントを押さえておきましょう。
今回のテーマは、「酸・塩基の判別」です。