5分でわかる!指示薬の選択
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この動画の要点まとめ
ポイント
中和滴定においては、必ず、 指示薬 を使用します。
色の変化をヒントにして、 中和が完了したかどうかを見極める のでしたね。
しかし、このときに困るのが、どの指示薬を使えばいいのかということでした。
フェノールフタレイン や メチルオレンジ など、種類がいっぱいあると困ってしまいますよね。
今回は、その選び方を学習していきましょう。
フェノールフタレインの変色域は塩基性側、メチルオレンジの変色域は酸性側
先ほどの滴定曲線をもとに考えておきましょう。
みなさんには、2つ注目して欲しい箇所があります。
まず、図のグラフには、帯状に色がついていますね。
みなさんは、これが何を表しているか、わかりますか?
実は、これは 指示薬の色が変わるpHの範囲 を表しています。
この範囲のことを、 「変色域」 といいましたね。
グラフには、2つの変色域が示されています。
上の 塩基性側 に寄っているのが、 フェノールフタレインの変色域 です。
下の 酸性側 に寄っているのが、 メチルオレンジの変色域 です。
このグラフにおいて、もう一つ重要なのが、pHが急激に変化している部分です。
この部分を pHジャンプ といいましたね。
これに注目すると、 「pHジャンプが変色域と重なっていれば、その指示薬を使うことができる」 といえます。
どういう意味かわかりますか?
左のグラフを見てみましょう。
強酸+強塩基の中和では、フェノールフタレインまたはメチルオレンジ
これは、強酸と強塩基の滴定曲線でしたね。
pHジャンプと変色域に注目してみましょう。
フェノールフタレインの変色域もメチルオレンジの変色域も、pHジャンプと重なっていますね。
つまり、この場合は、どちらの指示薬を使っても、中和が完了したタイミングを見極めることができます。
よって、 強酸+強塩基の中和 では、 フェノールフタレイン・メチルオレンジ の両方を使うことができます。
弱酸+強塩基の中和では、フェノールフタレインのみ
それに対し、真ん中のグラフはどうでしょうか?
上にあるフェノールフタレインは、pHジャンプと重なっています。
これは問題ありませんね。
しかし、下にあるメチルオレンジは、pHジャンプと重なっていません。
スタート地点も変色域に重なってしまっているので、中和による色の変化がわからないのです。
よって、 弱酸+強塩基の中和 では、 フェノールフタレイン は使えますが、メチルオレンジは使えません。
強酸+弱塩基の中和では、メチルオレンジのみ
最後に、右のグラフを見てみましょう。
下にあるメチルオレンジは問題ありません。
しかし、上にあるフェノールフタレインは、pHジャンプと重なっていません。
これでは、中和による色の変化がわかりませんね。
よって、 強酸+弱塩基の中和 では、 メチルオレンジ は使えますが、フェノールフタレインは使えません。
ここまでの内容をまとめましょう。
指示薬の選択においては、酸・塩基の強弱が重要です。
強酸+強塩基 の中和では、 フェノールフタレイン・メチルオレンジ の両方を使うことができます。
弱酸+強塩基 の中和では、 フェノールフタレイン は使えますが、メチルオレンジは使えません。
強酸+弱塩基 の中和では、 メチルオレンジ は使えますが、フェノールフタレインは使えません。
酸・塩基の強弱と、指示薬の関係を押さえておきましょう。
今回のテーマは、「指示薬の選択」です。