5分でわかる!物質の結合と沸点
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この動画の要点まとめ
ポイント
私たちの身のまわりには、水や鉄など、さまざまな物質があります。
これらの物質の 沸点・融点 は、物質ごとに決まっています。
まさか、水と鉄が同じ温度で沸騰したり、融解したりはしませんよね。
この違いを説明するため、 分子の結合の違い に注目していきましょう。
次のグラフを見てください。
これは、 14~17族の水素化合物の沸点と分子量に関するグラフ です。
縦軸には 沸点 、横軸には 分子量 がとられていますね。
グラフの読み方を簡単に確認しておきましょう。
グラフの一番左上の点に注目してください。
これは、16族元素の水素化合物のうち、最も分子量が小さいものを指しています。
実は、この物質は 水H2O です。
縦軸・横軸に注目すると、分子量が18、沸点が100℃になっていることがわかりますね。
このように、 Hと○族元素の化合物 について、 分子量と沸点の関係 をまとめているわけです。
このグラフの特徴をまとめておくと、次のようになります。
① (主に構造が似た分子では)分子量 大→沸点 高い
② 15・16・17族の水素化合物は極性分子のため沸点が高い
③ 水素結合の沸点は著しく高い
では、なぜこのような特徴が現れるのか、順番に解説していきます。
① 分子量 大→沸点 高い
まず、 ポイント① を見て下さい。
(主に構造が似た分子では)分子量 大→沸点 高い とあります。
例えば、16族元素の水素化合物に注目しましょう。
一番左の水素化合物(水)は、非常に沸点が高いですね。
しかし、左から2つ目は、急に沸点が下がっています。
その後、3つ目・4つ目と、少しずつ沸点が上がっていきます。
つまり、2つ目から先は、 分子量が大きいほど沸点が高くなっている わけです。
16族以外の水素化合物も、同じような傾向がありますね。
このように、全体として、 分子量が大きいほど沸点が高い 傾向があるのです。
分子量が大きいほど分子間力が強くなる ことと関連付けて覚えましょう。
② 15・16・17族の水素化合物は極性分子のため沸点が高い
続いて、 ポイント② を見て下さい。
15・16・17族の水素化合物は極性分子のため沸点が高い とあります。
グラフでは、14族の水素化合物は、他の族の水素化合物に比べて沸点が低いですね。
この原因となっているのは、 極性分子と無極性分子の違い です。
極性分子においては、 分子間で電気的な引力がはたらく のでしたね。
そのため、分子間のつながりを切るには、他の分子よりも高い温度が必要です。
それに対して、14族の元素は電気陰性度があまり大きくないので、極性分子を作りません。
ですから、14族よりも、 15・16・17族の水素化合物の沸点が高い のですね。
③ 水素結合の沸点は著しく高い
最後に、 ポイント③ を見て下さい。
水素結合の沸点は著しく高い とあります。
注目するのは、15・16・17族元素の水素化合物のうち、一番左の化合物です。
15族はNH3、16族はH2O、17族はHFです。
これら3つは、他の化合物に比べて、 非常に沸点が高い ですね。
どうしてこのような差があるのでしょうか?
実は、NH3・H2O・HFの3つは、 水素結合 によって結合しているのです。
水素結合といえば、水素原子をなかだちとした結合のことです。
水素結合では電気的な引力がはたらくので、 分子間のつながりがより強くなる のでしたね。
このように、化合物の沸点には、3つのルールがあります。
グラフのイメージとともに、整理しておきましょう。
今回のテーマは、「物質の結合と沸点」です。