5分でわかる!水の状態図Ⅰ
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この動画の要点まとめ
ポイント
状態変化では、温度だけでなく、圧力も重要
突然ですが、みなさんは、 スケート をしたことはありますか?
スケート靴を履くと、氷の上をスムーズに滑ることができますよね。
これはどのような仕組みなのでしょうか。
スケート靴の底には、薄い金属の刃がついています。
金属の刃に私たちの全体重がかかると、氷に大きな 圧力 が加わります。
すると、その圧力によって、 氷が水に変えられてしまう のです。
そうしてできた水が潤滑剤となり、スムーズに滑ることができるわけですね。
この例からわかるように、 物質の状態変化には、温度だけでなく、圧力も深く関わっている のです。
その関係について、詳しく学習しましょう。
「状態図」とは、温度・圧力・物質の状態の関係を表した図
状態変化と温度・圧力の関係を考えるには、どのようにすればよいでしょうか?
次のような図を書いてみましょう。
縦軸には 圧力 、横軸には 温度 がかかれていますね。
それぞれの温度・圧力において、 水がどのような状態で存在しているか を表しているわけです。
このように、 温度・圧力・物質の状態の関係 を表した図を、 「状態図」 といいます。
ちなみに、今回は「水の状態図」を示していますが、その他にも「二酸化炭素の状態図」などもあります。
物質の種類ごとに沸点・融点が異なるのですから、それぞれに状態図があることになります。
状態図を見れば、その温度・圧力における物質の状態がわかる
それでは、状態図の読み方を練習してみましょう。
圧力が1.013×105Pa、つまり、 1気圧 のところに注目しましょう。
この圧力において、温度と状態の関係を見ていきます。
まず、0℃以下のときには、固体の状態になっています。
その後、0℃~100℃のときには、液体の状態です。
そして、100℃以上のときには、気体になります。
それに合わせて、背景の色も、濃い灰色→白→薄い灰色と変化していますね。
つまり、 「1気圧においては、水は、固体→液体→気体と変化する」 ことがわかるのです。
もう一つ、状態図の読み方を練習してみましょう。
富士山の山頂をイメージしてください。
標高が高い場所では、気圧が低くなります。
状態図で、1気圧より低い気圧を見てみましょう。
このときに状態変化が起こるポイントを読み取ります。
まず、固体から液体に変化する点を見てみましょう。
融点が0℃よりも高い ことがわかります。
次に、液体から気体に変化する点を確認します。
沸点が100℃よりも低い ですね。
つまり、富士山の上では、水は融解しにくく、沸騰しやすいというわけです。
このように、状態変化と温度・圧力の関係を考えるときに、状態図はとても便利なのです。
固体・液体・気体が共存する三重点
最後に、状態図に関する用語を押さえておきましょう。
状態図の左下には、 固体・液体・気体の3つが重なる点 がありますよね。
これを、 三重点 といいます。
気体とも液体とも判別がつかない状態になる臨界点
また、状態図の右上には、もう一つ強調されている点があります。
温度と圧力をどんどん上げていくと、気体とも液体とも判別がつかない状態になっていきます。
この状態のことを 超臨界状態 、超臨界状態になる点を 臨界点 と呼ぶのです。
状態図の読み方とそれに関する用語を押さえておきましょう。
今回のテーマは、「水の状態図」です。