5分で解ける!物質の状態と平衡(テスト6、第2問)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
こちらは、凝固点降下に関する問題です。
3つの溶液の中から最も凝固点が低いものを選びましょう。
凝固点降下度は、質量モル濃度に比例
まずは、凝固点降下について、思い出しましょう。
凝固点降下度は、溶液の 質量モル濃度 に比例しましたね。
式で表すと、次のようになります。
⊿tf=Kfm
つまり、選択肢のそれぞれについて、 Kfmの大小を比べていけばよい のです。
ここで、KfmのKfは、モル凝固点降下という定数でした。
この値は、溶媒の種類によって決まっていましたね。
今回の選択肢では、溶媒はすべて水なので、 Kfの値はすべて同じ ということになります。
ということは、 質量モル濃度mだけを比べればよい のです。
凝固点降下度を比較する問題では、電離した後の物質量に要注意
それでは、それぞれの選択肢について、質量モル濃度mを比べていきます。
ポイントは、問題文の 「電解質は完全に電離する」 というところです。
これはどういう意味でしょうか?
例えば、アの塩化ナトリウムを例に考えてみます。
ア 塩化ナトリウム
塩化ナトリウムは電離して、ナトリウムイオンと塩化物イオンになります。
たとえば、1molのNaClから、1molのNa+と1molのCl-ができるというイメージです。
合計2molのイオンができたことになりますね。
実際には、電離後の質量モル濃度は、次のようになります。
m=0.18×2
=0.36mol/kg
よって、アの電離後の質量モル濃度は、 0.36mol/kg です。
イ グルコース
グルコースは糖類の一種で、電離しません。
ですから、質量モル濃度はそのまま、 0.20mol/kg です。
ウ 塩化カルシウム
塩化カルシウムは電離して、カルシウムイオンと塩化物イオンになります。
つまり、1molのCa(Cl)2から、1molのCa2+と2molのCl-ができるわけです。
合計3molですね。
実際には、電離後の質量モル濃度は、次のようになります。
m=0.10×3
=0.30mol/kg
よって、ウの電離後の質量モル濃度は、 0.30mol/kg です。
以上より、 質量モル濃度が最も大きいのは、ア です。
ということは、 凝固点が最も低いのも、ア となります。
よって、答えは、 ア です。
演習2です。