5分でわかる!鉛蓄電池の極板での反応
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この動画の要点まとめ
ポイント
負極・正極・全反応式の順に考えていきましょう。
鉛の酸化数 に注目しながら考えるのがポイントです。
負極は、Pb+SO42-→PbSO4+2e-
まずは、 負極の反応 を考えます。
負極とは、鉛板のことでしたね。
まず、鉛が硫酸に溶け、鉛イオンとなります。
すると、すぐに硫酸イオンと結びつき、硫酸鉛として極板に付着します。
これを反応式で表すと、次のようになります。
Pb+SO42-→PbSO4+2e-
このとき、鉛の酸化数は 0から+2 に変化します。
正極は、PbO2+4H++SO42-+2e-→PbSO4+2H2O
次に、 正極の反応 を考えます。
正極では、酸化鉛が電子を受け取って、鉛イオンとなります。
しかし、すぐに硫酸イオンとくっついて、硫酸鉛となり、正極に付着します。
PbO2+4H++SO42-+2e-→PbSO4+2H2O
このとき、鉛の酸化数は、 +4から+2 に変化しています。
全反応式は、Pb+PbO2+2H2SO4→2PbSO4+2H2O
最後に、この2つの式を足し合わせた全反応式を考えましょう。
Pb+PbO2+2H2SO4→2PbSO4+2H2O
左辺では、鉛の酸化数は0と+4ですが、右辺では+2になります。
鉛蓄電池は充電できる(二次電池)
最後に、鉛蓄電池の最大の特徴を紹介します。
次の全反応式を見てください。
左辺と右辺の間に注目すると、左右両向きの矢印が書かれていますね。
これは、どのような意味でしょうか?
まず、左辺から右辺の流れ(正反応)を考えます。
正反応においては、電池から電流を取り出しています。
これを 放電 といいます。
次に、右辺から左辺の流れ(逆反応)を考えましょう。
逆反応においては、電池の起電力を回復させ、再び電流を取り出せるようにしています。
これを 充電 といいます。
これまで紹介してきたボルタ電池やダニエル電池は、放電はできても、充電はできません。
このように充電することができない電池を 一次電池 といいます。
それに対して、鉛蓄電池のように、充電できる電池を 二次電池 といいます。
これらの用語を覚えておきましょう。
今回のテーマは、「鉛蓄電池の極板での反応」です。