今回のテーマは、「CuCl₂水溶液の電気分解」です。

みなさんは、これまで電気分解の基本について学習してきましたね。
陰極・陽極のそれぞれについて、どのような反応が起こるかを紹介してきました。
次に、全体としてどのような反応が起こっているかを、見ていきます。

さぁ、今回は、 CuCl₂水溶液の電気分解 を見ていきましょう。
最初に注目するのは、電極です。
今回は、 炭素C が使われていますね。
この場合、電極自体は溶けないため、 水溶液中のイオンや分子と電子のやり取りを行う ことがわかります。

それでは、 陰極の反応 から見ていきましょう。
陰極では、陽イオンに対して、電子をわたす必要があります。
CuCl₂水溶液の中には、 Cu²⁺ があります。
Cu²⁺に電子をわたすと、次のような反応が起こります。
　 Cu²⁺+2e^-→Cu
これによって、陰極に銅がどんどんくっついていくことになります。
陰極において、水溶液中の金属イオンのイオン化傾向が小さいとき、 金属が析出 するのでしたね。

次に、 陽極の反応 を考えます。
陽極では、陰イオンなどから 電子を奪う反応 が起こります。
CuCl₂水溶液の中には、 Cl^- がいます。
Cl^-は余分に電子をもっているので、こちらから電子を奪いましょう。
　 2Cl^-→Cl₂+2e^-

すると、 塩素の単体 が生じることになります。
陽極がC,Pt,Auのとき、水溶液中にハロゲン化物イオンが存在すると、 ハロゲンの単体 が発生するのでしたね。