5分で解ける!化学反応とエネルギー(テスト5、第2問)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
まずは、問題の内容を理解しましょう。
この問題では、白金電極を用いて、塩化ナトリウム水溶液を電気分解しています。
わかっているのは、流した電流の大きさと時間、ファラデー定数ですね。
これらの情報から、 陽極で発生した気体 の体積を求めましょう。
どのようにして計算を進めていけばよいかわかりますか?
簡単にまとめると、次のような流れになります。
電流〔A〕と時間〔s〕⇒電気量〔C〕⇒電子の物質量〔mol〕
⇒気体の物質量〔mol〕⇒気体の体積〔L〕
少し大変そうですが、順番に見ていきましょう。
ポイントは、電子の物質量から気体の物質量を求めることです。
電流〔A〕と時間〔s〕⇒電気量〔C〕
まずは、 電気量 を求めます。
電気量の式は、次のようになっていました。
電気量〔C〕=電流〔A〕×時間〔s〕
今回は、10.0Aの電流で16分5秒電気分解しています。
16分5秒は、965秒ですね。
つまり、流れた電気量は次のようになります。
10.0A×965s= 9650C
よって、流れた電気量は 9650C です。
電気量〔C〕⇒電子の物質量〔mol〕
次に、電気量を 電子の物質量 に変換しましょう。
その際に使うのは、 ファラデー定数 でしたね。
ファラデー定数F=96500Cより、電子の物質量は次のようになります。
9650/96500= 0.1mol
よって、流れた電子の物質量は、 0.1mol です。
電子の物質量〔mol〕⇒気体の物質量〔mol〕
ここまでの計算で、流れた電子の物質量がわかりました。
次に、 発生した気体 に注目しましょう。
まず、今回は塩化ナトリウム水溶液NaClaqの電気分解を行っています。
陽極では、電子を奪う反応が起こるのでしたね。
今回の場合は、塩化物イオンから 塩素 が発生します。
反応式は、次のようになります。
2Cl-→Cl2+2e-
ここから、電子と塩素の物質量の関係がわかります。
発生した塩素の物質量:流れた電子の物質量=1mol:2mol
よって、0.1molの電子が流れたときに、発生した塩素の物質量は、次のようになります。
1mol:2mol= 0.05mol :1mol
よって、発生した塩素の物質量は、 0.05mol です。
気体の物質量〔mol〕⇒気体の体積〔L〕
最後に、 塩素の体積 を求めましょう。
標準状態における体積は、1molあたり22.4Lでしたね。
22.4L×0.05mol= 1.12L
有効数字2桁で答える問題なので、答えは 1.1L となります。
演習2も、 電気分解に関する計算問題 です。