今回のテーマは、「反応速度のグラフと計算」です。

前回は、反応速度を求める方法について、簡単に紹介しました。
反応速度を求めるときには、化学反応式だけでは足りません。
実験結果を示した 表やグラフの値 から、実際に計算する必要があるのでしたね。
いよいよ今回は、実際の数値をもとに計算していきます。

まずは、問題の意味を理解しましょう。
この実験では、水素とヨウ素を反応させて、ヨウ化水素をつくります。
グラフは、水素の モル濃度の変化 を表しているわけです。

このグラフを使って、水素の 反応速度 を求めましょう。
そのときに使うのは、次の式でしたね。
　 反応速度=濃度の変化量÷時間の変化量

それでは、計算に必要な値をグラフから読み取っていきましょう。

ポイントは、問題文の 1～4分間 というところです。
横軸に注目しましょう。
時間が 1min のとき、濃度は 0.38mol/L です。
時間が 4min のとき、濃度は 0.20mol/L です。

最後に、この値を式に当てはめましょう。
　 反応速度=濃度の変化量÷時間の変化量

ただし、注意点があります。
今回、水素の濃度は減少していますよね。
ということは、反応速度を正の値で表すために、 符号を調整 する必要があるのです。
よって、次のような計算になります。

　V=-(0.20-0.38)÷(4-1)
　=0.18÷3
　= 0.060
よって、答えは、 0.060mol/(L・min) となります。