5分でわかる!電解度と電離定数
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この動画の要点まとめ
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初濃度と電離度がわかれば、電離定数を計算できる
みなさんは、 電離定数 について学習してきましたね。
電離定数は、電離度を使って求めることができるのです。
今回は、その求め方を見ていきましょう。
それでは、酢酸の電離について、電離度と電離定数の関係を見ていきます。
CH3COOHの 最初の濃度をC mol/L 、 電離度α として、考えます。
まず、反応式は、次のようになっています。
CH3COOH⇄CH3COO-+H+
つづいて、濃度を表に整理していきましょう。
単位はmol/Lとしておきます。
最初に考えるのは、一番上の 「電離前」 です。
電離する前の濃度を書き込みましょう。
CH3COOHは C です。
それに対して、イオンは発生していません。
したがって、CH3COO-は 0 、H+も 0 です。
次に真ん中の 「変化量」 です。
まず、CH3COO-に注目しましょう。
CH3COOHのうち、αの分だけ電離することになります。
したがって、CH3COO-は +Cα です。
CH3COO-とH+は、同じ数だけ生じます。
よって、H+も +Cα です。
CH3COOHについては、Cαの分だけ減ります。
したがって、CH3COOHは -Cα です。
最後に、「電離平衡時」です。
「電離前」と「変化量」を足し合わせましょう。
CH3COOHは C(1-α) 、CH3COO-は Cα 、H+は Cα です。
さて、これで表が完成しました。
あとはこの数値を、電離定数の式に代入しましょう。
電離定数Ka⇒電離度α⇒水素イオン濃度[H+]
ここまでは、電離度と電離定数の関係を学んできました。
次に、水素イオン濃度を求めていきます。
電離定数Ka⇒電離度α⇒水素イオン濃度[H+]
電離定数Kaは、実験結果から求める
酢酸の 初濃度C と、 電離度α を使って考えていきましょう。
まず、前回学習したように、 電離定数Ka は、次のように求められました。
電離度αは、電離定数Kaの近似で求める
ここでポイントです。
酢酸は弱酸なので、 電離度がとても小さい という性質があります。
つまり、酢酸の電離度は、とても0に近いのです。
そこで、 1-α≒1 と考えます。
このような考え方を、 近似 といいます。
すると、次のような式ができます。
Ka≒Cα2
この式から 電離度α を求めることができます。
水素イオン濃度[H+]は、初濃度C×電離度α
あとは、 水素イオン濃度[H+] を求めましょう。
[H+]=Cα
αの値はすでにわかっているので、次のようになります。
このように、初濃度と電離度さえわかれば、電離定数・電離度・水素イオン濃度を求めることができるのです。
今回のテーマは、「電離度・電離定数と水素イオン濃度」です。