5分でわかる!酢酸ナトリウムの加水分解
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この動画の要点まとめ
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みなさんは、中学のときに、 中和反応 について学習しましたよね。
中和反応といえば、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混合し、 塩化ナトリウム と水が発生するのが有名ですね。
このときの塩化ナトリウムのように、酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結合してできる化合物を、 塩 といいます。
このようにしてできる塩には、様々な種類があります。
たとえば、 塩化ナトリウム は、強酸と強塩基の塩でした。
塩化ナトリウムを水に溶かすと、水溶液は中性になります。
一方、 酢酸ナトリウム は弱酸と強塩基の塩です。
酢酸ナトリウムを水に溶かすと、水溶液は塩基性になります。
同じ塩でも、 水溶液の液性に違い が出てくるわけですね。
どうしてこのような差が生まれてくるのか、詳しく見てみましょう。
酢酸ナトリウムを水に加えると、酢酸イオンと水素イオンが反応して酢酸ができる
最初に、 酢酸ナトリウム を例に考えていきます。
まず、酢酸ナトリウムを水に溶かすと、次のように電離します。
CH3COONa→CH3COO-+Na+
ナトリウムイオンはとても電離しやすいので、酢酸ナトリウムは完全に電離します。
しかし、酢酸は電離度が小さいので、酢酸イオンはそんなにたくさん存在できません。
そこで注目するのが 水 です。
水中では、水もわずかに電離しているのでしたね。
H2O→H++OH-
このとき、CH3COO-とH+が反応すると、次のようになります。
CH3COO-+H2O→CH3COOH+OH-
酢酸イオンが酢酸に戻ってしまうわけですね。
すると、H+が減少し、 OH-が増加する ことになります。
OH-は 塩基 のもとになる物質でしたね。
つまり、この水溶液は塩基性を示すようになるわけです。
このように、塩に水を加えて分解することを、 塩の加水分解 といいます。
弱酸+強塩基の塩は、水溶液が塩基性
以上を簡単にまとめましょう。
弱酸+強塩基 の塩は、水溶液が 塩基性 になります。
この考え方は重要なので、きちんと押さえておきましょう。
今回のテーマは、「塩の加水分解」です。