高校化学
5分でわかる!溶解度積と沈殿の生成条件
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この動画の要点まとめ
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溶解度積と沈殿の生成条件
これでわかる!
ポイントの解説授業
前回は、沈殿と溶液の関係を表した 溶解平衡 について学習しましたね。
硝酸銀水溶液に、塩化物イオンを加えると塩化銀の沈殿が起こる反応を紹介しました。
しかし、塩化物イオンが少なすぎたり、多すぎたりすると、沈殿はどうなるでしょうか?
この疑問について、詳しく見ていきましょう。
図は、塩化銀の溶解平衡を表しています。
今、塩化銀が、25℃において、溶解平衡であるとします。
このときの 溶解度積Ksp は、次のようになります。
Ksp=[Ag+][Cl-]
=1.8×10-10
[Ag+][Cl-]>Kspのとき、沈殿が生じる
さて、ここに、塩化物イオンを加えてみるとどうなるでしょうか?
塩化物イオンの濃度が大きくなるため、次のようになります。
[Ag+][Cl-]>Ksp
こうなると、なんとかして濃度を下げて、平衡状態に戻そうとする力が働きますね。
そこで、銀イオンと塩化物イオンがくっついて、新たに 沈殿を生じる ことになります。
これはまさに、ルシャトリエの原理ですね。
[Ag+][Cl-] ≦ Kspのとき、沈殿が生じない
次に、イオンの濃度が低くなると、どのようになるでしょうか?
つまり、次のような状態のときです。
[Ag+][Cl-] ≦ Ksp
この場合は、イオンの濃度を小さくする必要がないので、 沈殿が生じません。
以上の内容をまとめましょう。
[Ag+][Cl-]>Kspのとき、沈殿が生じる
[Ag+][Cl-] ≦ Kspのとき、沈殿が生じない
この条件をきちんと覚えておきましょう。
今回のテーマは、「溶解度積と沈殿の生成条件」です。