5分でわかる!塩素の製法
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この動画の要点まとめ
ポイント
まず、みなさんは塩素と聞いて、何を思い出しますか?
プールなどで、「塩素の臭いがする」と言うことがありますよね。
実は、塩素の化合物が、消毒剤として使われているわけです。
今回は、塩素の製法について学習していきましょう。
塩素の製法は、4HCl+MnO2→MnCl2+2H2O+Cl2
塩素をつくるためには、次の図のような装置を使います。
順番に見ていきましょう。
まず、図の左に丸底フラスコがありますね。
この中で、濃塩酸と酸化マンガン(Ⅳ) が反応しています。
これによって、塩素が発生します。
丸底フラスコから出た管は、2つの洗気ビンという器具につながっています。
2つの洗気ビンを通ることで、一番右のビンの中に塩素を得ることができるわけですね。
水は塩化水素HClを吸収、濃硫酸は水H2Oを吸収
まずは、どのような反応が起こるかを確認しておきます。
4HCl+MnO2→MnCl2+2H2O+Cl2
つまり、発生した気体の中には、塩素の他に、塩化水素HClと水蒸気H2Oが含まれているわけです。
洗気ビンで不純物を取り除く
この2つの不純物を取り除くのが洗気ビンです。
ここで疑問が出てきます。
どうして2つの洗気ビンを通る必要があるのでしょうか?
それは、他の物質が混じっていない、純粋な塩素を取り出すためです。
まず、1つ目の洗気ビンには水が入っています。
この水によって、塩化水素HClが吸収されることになります。
塩化水素は水に溶けやすいのでしたよね。
次に、2つ目の洗気ビンには、濃硫酸が入っています。
この濃硫酸によって、水蒸気H2Oが吸収されることになります。
このように2つの物質を取り除くことにより、純粋な塩素を得ることができるのです。
洗気ビンの順番は、水⇒濃硫酸
ただし、注意しないといけないのは、洗気ビンの順番です。
どうして、水⇒濃硫酸の順でなければいけないのでしょうか?
濃硫酸⇒水の場合をイメージしてみましょう。
濃硫酸によって、水を取り除くことはできます。
しかし、その後に水の中を通したら、再び水が含まれてしまいますよね。
これでは意味がありません。
つまり、きちんと水を取り除くためには、水⇒濃硫酸の順番がベストなのです。
この点は試験でもよく狙われます。
不純物を取り除くしくみを理解しておきましょう。
塩素の他の製法では、高度さらし粉を用いる
また、塩素の製法には、他の方法もあります。
たとえば、高度さらし粉Ca(ClO)2・2H2Oというものを使うと、次のような反応が起こります。
Ca(ClO)2・2H2O+4HCl→CaCl2+4H2O+2Cl2
余裕のあるひとは、この方法も押さえておきましょう。
今回のテーマは、「塩素の製法」です。