今回のテーマは、「鉄の性質と化合物」です。

前回は、鉄の精錬について学習してきましたね。
次に、鉄の性質について詳しく見ていきましょう。

まず、鉄は、融点が高い物質です。
鉄は、溶鉱炉などで非常に高温にしないと、溶解しません。
また、鉄はさびやすい金属としても有名です。
みなさんも、鉄がさびている様子を見たことがあるでしょう。

鉄に塩酸・希硫酸を加えると、水素を発生して溶け、鉄(Ⅱ)イオンになります。
イオン化傾向の時に学んだように、鉄は水素よりもイオン化傾向が大きい元素です。

鉄は塩酸や希硫酸に溶けますが、濃硝酸にはどうでしょうか？
実は、濃硝酸に対しては、表面に酸化皮膜を生じて不動態になり、溶けません。

アルミニウムのときには、ジュラルミンという合金を紹介しました。
同じように、鉄にも、重要な合金があります。
鉄とクロム・ニッケルの合金を、ステンレス鋼といいます。
「ステンレス」とはさびにくいという意味で、キッチンの流しなどに利用されています。

鉄の性質について整理しておきましょう。