5分で解ける!無機物質(テスト10、第1問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
それでは、演習1です。
色々なイオンが含まれた水溶液があります。
この水溶液から各イオンを分離する問題ですね。
これはまさに、金属イオンの系統分離です。
学習してきた方法で解いていきましょう。
今、水溶液の中には、4種類のイオンが溶けています。
アルミニウムイオンAl3+
鉄イオン(Ⅲ)Fe3+
銅イオン(Ⅱ)Cu2+
銀イオンAg+
この中から、各イオンを分離していきましょう。
【Al3+,Fe3+,Cu2+,Ag+】
塩化物イオンCl-と反応して沈殿を生成するのは、Ag+・Pb2+
1番目の操作は、「希塩酸を加える」 です。
塩化物イオンCl-と反応して沈殿を生成するのは、Ag+・Pb2+ でした。
今回の場合、Ag+とCl-が反応して、AgClの白色沈殿が生じます。
沈殿1:AgCl
【Al3+,Fe3+,Cu2+】
硫化物イオンS2-からできる沈殿については、溶液の液性に注意
2番目の操作は、「硫化水素を通じる」 です。
硫化水素のときのポイントは、溶液の液性に注意することです。
希塩酸を加えたことで溶液が酸性になっています。
酸性・中性・塩基性のいずれでも沈殿が生じるのは、Cu2+・Ag+ でした。
今回の場合は、Cu2+とS2-が反応して、硫化銅(Ⅱ)CuSの黒色沈殿が生じます。
沈殿2:CuS
【Al3+,Fe2+】
このときの注意点は、「Fe3+」ではなく「Fe2+」になっている点です。
硫化水素は強い還元剤なので、鉄イオンの酸化数が下がっているわけです。
水酸化物イオンOH-と反応して沈殿を生成するのは、Fe3+・Cu2+・Ag+
最後の操作は、「煮沸した後、濃硝酸を加え、過剰のNaOH水溶液を加える」 です。
このとき、濃硝酸は強い酸化剤です。
そのため、「Fe2+」が「Fe3+」にもどります。
【Al3+,Fe3+】
さて、ここに過剰の水酸化ナトリウム水溶液を加えます。
キーワードは、沈殿の再溶解です。
Al3+とFe3+に少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えると、Al(OH)3やFe(OH)3の沈殿が生じます。
しかし、Al(OH)3の方は、多量の水酸化ナトリウム水溶液に再溶解します。
そのときに発生するのが、テトラヒドロキシドアルミン酸イオン[Al(OH)4]- です。
よって、Al3+は水溶液に、Fe3+は沈殿に分離されます。
沈殿3:Fe(OH)3
【Al3+】
今回の系統分離では、酸化数の増減や沈殿の再溶解が登場しました。
少し難しいパターンの問題ですが、分離の流れを理解しておきましょう。
今回は、確認テストです。
実際に問題を解きながら、これまでの内容を復習していきましょう。