高校化学
5分で解ける!有機化合物(テスト12、第1問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
演習1
解説
これでわかる!
問題の解説授業
演習1です。
こちらは、芳香族カルボン酸の性質に関する内容です。
ア~エの物質のうち、①と②の条件に当てはまるものを、それぞれ見つけましょう。
ちなみに、ア~エの物質名は、以下の通りです。
ア 安息香酸
イ フタル酸
ウ テレフタル酸
エ サリチル酸
脱水が起こるのは、オルトの位置のカルボキシ基
① 加熱すると、無水物になる
みなさんは、「無水物」の意味がわかりますか?
無水物とは、もとの物質が水を失ったものでしたね。
ア~エのうち、分子内脱水が起こるものを探しましょう。
その際のポイントは、カルボキシ基同士が近くにあるということです。
カルボキシ基同士がオルトの位置にあるものは、フタル酸ですね。
フタル酸が分子内脱水を起こし、無水フタル酸ができるわけです。
よって、答えは、イのフタル酸となります。
ベンゼン環のメチル基を酸化するとカルボキシ基
② p-キシレンを酸化すると生成する
この問題では、「p-キシレンを酸化」とありますね。
まずは、p-キシレンがどのような物質か、思い出してみましょう。
キシレンとは、ベンゼン環に2つのメチル基が結合したものでした。
また、p(パラ)ということから、メチル基が正反対の位置についていることがわかりますね。
さて、このようなp-キシレンを酸化すると、どうなるでしょうか?
ここで思い出して欲しいのが、安息香酸の製法です。
安息香酸は、トルエンの二段階酸化で得られました。
トルエン⇒ベンズアルデヒド⇒安息香酸
つまり、ベンゼン環に直接結合しているメチル基は、酸化してカルボキシ基になりやすいのです。
それでは、今回の問題に戻りましょう。
p-キシレンのメチル基がそれぞれ酸化されると、カルボキシ基になります。
つまり、②の物質は、ベンゼン環の正反対の位置に2つのカルボキシ基がついたものなのです。
よって、答えは、ウのテレフタル酸となります。
今回は確認テストです。
実際に問題を解きながら、これまでの内容を復習していきましょう。